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スメタナ:連作交響詩「我が祖国」全曲
ロヴロ・フォン・マタチッチ指揮
ウィーン放送交響楽団(オーストリア放送響)
録音:1982年1月14日ウィーン・ムジークフェラインザール、ライヴ
※WEITBLICKより
このリリースには非常な困難を擁しました。オーケストラが名称もウィーン放送響と変更になった上に、ド・ビリー体制であることを前面に出したい(!)という意向があり過去の録音のリリースに否定的であったことです。しかしこれだけの演奏を埋もれたままにしておくことは偲びなく、マタチッチ財団とともに説得し、最終的に応じてくれました。一言で言って最重量級の演奏であり、標題音楽であることを全面に出した情感豊かな演奏です。試みに演奏時間を記します。[17’20”][13’30”][10’47”][13’22”][14’26”][14’55”]
※宇野功芳氏のライナーノートより
第一曲「高い城」(Vysehrad)の冒頭、ハープが弾く“高い城”の動機の雄弁なこと!これだけで聴き手の心はわしづかみにされる。曲が進むにつれ、マタチッチが創り出すひびきの重量感、ものものしさ、スケールの大きさに圧倒される。ヴァイオリンはむせるように歌うが、つねに深い苦味を湛えているのである。
第二曲「モルダウ」(Vltava)。なんとなく不器用な出がいかにもマタチッチらしく、まさに人間が演奏している音楽だ(今は機械が演奏しているようなものが多いので)。なつかしいモルダウ川の主題があくまでゆったりとしたテンポで悠然と流れてゆく。もちろんスケールは相変わらず大きい。朗々たる狩のホルン、そして農民たちの踊りのなんという遅いテンポ!このテンポでは踊れない。あくまでコンサート用の演奏なのだ。月の光からテーマ再現にかけてもスロー・テンポは微動だにしない。急流は力まず、高い城のテーマが登場するともう一段テンポを落とす巨匠の芸。
第四曲「ボヘミアの森と草原より」(Z ceskych luhu a haju)も他の指揮者のCDに比べると深いひびきや堂々たる佇いがまるで違う。それに何という巨大さであろう。マタチッチの人間の大きさ、芸術家としての巨きさが終始ものを言っている。そのためか、終了後に拍手が出てしまう。それとも、ここで休憩を取ったのだろうか。ぼくにはそうは思えない。全六曲は連続演奏すべきだし、拍手のおずおずとした出方が感動を示さずにはいられない聴衆の気持ちのように感じられるのである。
※英語、日本語、ドイツ語によるライナーノート付。
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