①ヘンツェ、エネスコ、ブゾーニ~ドイツの中堅ピアニスト、ハンネス・ポーリットによる意欲的なアルバム!②北ドイツの歴史的オルガンによるロマン派作品集

QUERSTANDレーベル(ドイツ)

ドイツの中堅ピアニスト、ハンネス・ポーリットによる意欲的なアルバム!
VKJK 2102
「精神の時」
ヘンツェ:ルーシー・エスコット変奏曲
エネスコ:ピアノ・ソナタ第1番 嬰ヘ短調 Op.24-1
ブゾーニ:前奏曲第1番 ハ長調 Op.37/BV181-1
リスト(ブゾーニ編):マイヤベーア「預言者」のコラール「私たちに、解放の波に」に基づく幻想曲とフーガ

ハンネス・ポーリット(ピアノ)
録音:2021年1月4-6日 ドイツ ライプツィヒ、DDD、65’30
※ドイツの中堅ピアニスト、作曲家、ハンネス・ポーリットによる意欲的なCD。ハンネス・ポーリットは1976年、ハイデルベルクの生まれのポーランド系ドイツ人。6歳からピアノを習い、また14歳の時に書いた最初の作品が賞を獲るほど作曲にも打ち込んでいる。演奏活動の他、近年は教師、指導者としても活躍している。
ヘンツェのルーシー・エスコット変奏曲は、19世紀のプリマドンナで米国人として初めて欧州で高い名声を築いた歌手、ルーシー・エスコット(1829―1895 )をイメージして書かれた曲。彼女の得意としたベッリーニの「夢遊病の女」の音楽が引用されている。リストの幻想曲とフーガは、マイヤベーアの「預言者」(1849年初演)の中で再洗礼派が歌う不気味なコラール「私たちに、解放の波に Ad nos, ad salutarem undam」(つまり純粋な宗教的コラールではない)を基に書いたオルガン曲をブゾーニが独奏ピアノ用に編曲したもの。30分かかる大作ながら元がオルガン曲のためにあまり知られていないのだが、しかしブゾーニの編曲も素晴らしく、リスト・マニアが大喜びする難曲である。

北ドイツの歴史的オルガンによるロマン派作品集
VKJK 2104
「シュトラールズントのオルガンによるロマン派作品集」
A.W.バッハ:前奏曲とフーガ ト短調
レーヴェ:2つのコラール前奏曲
(「最愛のイエス」/「神よ、あなたの技によって私を遇いなさい」)
メンデルスゾーン:コラールと変奏曲「全能の神の技はなんと偉大なことか MWV W8」
ドルンヘックター:4つの後奏曲
(葬送行進曲/ああ神にして主よ/天と地の神よ/バッソ・コンティヌオを伴った4声のフーガ)
フランケ:3つのコラール前奏曲
(心の底から/徳は十字架によって示されている/主を称えよ、力強い王を)
ロークス:3つのコラール前奏曲
(ああこの世よ、私はあなたから去らなければならない/ 徳は十字架によって示されている/私はあなたに別れを告げよう)
リーメンシュナイダー:
 演奏会用前奏曲 Op.25/
 「心象風景集」 Op.29~聖霊降臨祭/
 演奏会用後奏曲Op.26

マティアス・ペヒ(オルガン)
録音:2021年5月 ドイツ メクレンブルク=フォアポンメルン州 シュトラールズント、DDD、73’10
※北東ドイツのシュトラールズントの聖ニコライ教会に据えられた、カール・アウグスト・ブーフホルツ製作のオルガン(1841年完成)を用いて、ロマン派のオルガン曲を演奏したもの。アウグスト・ヴィルヘルム・バッハ(1796-1869)、ロベルト・ドルンヘックター(1839-1890)、フリードリヒ・ヴィルヘルム・フランケ(1862-1932)、ルドルフ・ロークス(1867-1940)、ゲオルク・リーメンシュナイダー(1848-1913)といった比較的珍しい作曲家の作品が収録されている。
マティアス・ペヒは1964年生まれのドイツのオルガン奏者。リューベックでマルティン・ハーゼルベックらに学ぶ。2016年からシュトラールズントの教会音楽監督を務めている。

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