ゲオルク・フリッチュのブルックナー:交響曲第4番!/他、新譜3タイトル

QUERSTANDレーベル(ドイツ)

エディション・バーディッシェ・シュターツカペレ第3弾!
ゲオルク・フリッチュのブルックナー:交響曲第4番!
VKJK 2401(1CD、1.5枚価格)
「エディション・バーディッシェ・シュターツカペレ03」
ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」(1936年、ハース版)

ゲオルク・フリッチュ(指揮)
バーディッシェ・シュターツカペレ(バーデン州立管弦楽団)
録音:2022年3月6・7日ドイツ、カールスルーエ (ライヴ)、69‘48、DDD
※好評のシリーズ第3弾はブルックナー交響曲第4番。やはり期待を上回る素晴らしいものであった。非常に見通しが良い演奏で、オーケストラの音が飽和したり、音楽の流れが停滞したりする事がなく、良い意味で引き締まった演奏である。指揮者とオーケストラの実力は勿論だが、録音も素晴らしい。2日間に渡るコンサートを編集しているが、音場感が豊かに仕上がっており編集によるテイクの差を全く感じない。今後も大いに期待したいシリーズである。
ゲオルク・フリッチュはドイツ・マイセン出身。初めはドレスデンでチェロを学び、アルテンブルク=ゲラ・フィルハーモニー管弦楽団のソロ・チェリストを務めた。指揮をドレスデンとライプツィヒで学び、キール歌劇場などの音楽監督を歴任し2020年よりバーデン・シュターツカペレ及びカールスルーエ・バーデン州立歌劇場の音楽総監督に就任している。古典派、ロマン派、現代音楽と幅広いレパートリーを持つ。

※その他QUERSTANDレーベル新譜
VKJK 2309
調性のカレイドスコープ(万華鏡)
①D.スカルラッティ:ソナタK.159ハ長調/
②R.シューマン:カノン形式の歌0p. 6-27イ短調/
③シューベルト(リスト編曲):愛の便り(白鳥の歌 第1曲)ト長調/
④グリーグ:叙情小品集No. 1 Op.12-7「アルバムの綴り」ホ短調/
⑤ラフマニノフ:前奏曲集Op.23-4ニ長調/
⑥バッハ(ジロティ編曲):前奏曲BWV.855ロ短調/
⑦ショパン:前奏曲集Op.28-7変イ長調/
⑧メンデルスゾーン:無言歌集No.6 Op.67-2「失われた幻影」嬰へ短調/
⑨バッハ:フランス組曲No.6 BWV.817「クーラント」ホ長調/
⑩ショパン:マズルカOp.63-3嬰ハ短調/⑪ショパン:前奏曲集Op.28-11ロ長調/
⑫ラフマニノフ:前奏曲集Op.32-12嬰ト短調/⑬R.シューマン:ロマンスOp.28-2嬰ヘ長調/
⑭シューベルト:即興曲集Op.90-3変ト長調/⑮スクリャービン:練習曲Op.8-12嬰二短調/
⑯スクリャービン:前奏曲Op.11-4変ホ短調/⑰ラフマニノフ:楽興の時Op.16-5変ニ長調/
⑱ブラームス:間奏曲Op.117-2変ロ短調/⑲フォーレ:3つの無言歌Op.17-3変イ長調/
⑳シューベルト:楽興の時Op.94-3へ短調/㉑ブラームス:間奏曲Op.117-1変ホ長調/
㉒C.P.Eバッハ:ソルフェージェットWq.117-2ハ短調/㉓マスネ:トッカータ 変ロ長調/
㉔シューベルト(リスト編曲):水車小屋と小川(美しき水車小屋の娘 第19曲)ト短調/
㉕R.シューマン:子供の為のアルバムOp.68-42「装飾的コラール」へ長調/
㉖D.スカルラッティ:ソナタ K.213 ニ短調

ユン・ハン=リン(雲涵琳)(ピアノ)
録音:2023年9月11〜14日 ザイフヘナースドルフ・ベヒシュタインピアノ工房、DDD、76’13
※ショパンの前奏曲集のように調性が変わる選曲がされている。カレイドスコープのように、色々な時代、国の作曲家の作品で彩られていて、純粋に聴く楽しさを実感する1枚と言える。楽しみ方はそれぞれだが、通して聴く事でピアニストの独特の世界観に浸ることをお勧めしたい。ユン・ハン=リン(雲涵琳)は台湾出身。2015年よりドイツに拠点を移す。これまでに、スーザン・リン(台北)、アルヌルフ・フォン・アルニム(フランクフルト)、デトロフ・カイザー(ドレスデン)、ウルリッヒ・アイゼンロール(ケルン)等の元で研鑽を積む。イタリア・バルレッタのコンペティションで優勝。台北、ドイツを始め世界各地のコンサートに出演する。

VKJK 2402
「タッチズ」
~合唱とチェロ・ヴァイオリンのための現代作品集
①ジョン・タヴナー(1944-2013):聖なるもの(チェロ)(1995)
②ヴォルフラム・ブッヘンベルク(b.1962):輝ける父の栄光(ヴァイオリン)(2015)
③クヌート・ニーステッド(1915-2014):スターバト・マーテルOp.111(チェロ)(1987)
④ペーテリス・ヴァスクス(b.1946):平原の風景(ヴァイオリン・チェロ)(2002)

マティアス・ユング(指揮)
ザクセン声楽アンサンブル
②④アレクサンドラ・スム(Vn)
①③④イサン・エンダース(Vc)
録音:2021年2月26・27日、6月26・27日 ドレスデン・聖アンナ教会、DDD、59’20
※合唱にヴァイオリンとチェロが加わる作品で構成された、珍しいアルバム。ヴァイオリンとチェロはオブリガート(助奏)と言うよりも、協奏曲のソリストの様な立ち位置である。始めの3曲は宗教的な題材なので、合唱が「人間たち」ヴァイオリンとチェロが「神」を象徴していて、神との対話と触れ合い(タッチズ)を描いている。4曲目は詞のないヴォカリーズの合唱が「自然界の風景」で、ヴァイオリンとチェロが「神の息吹」を描いているようだ。新しい佇まいの宗教音楽を、静かに味わいたいアルバムである。
マティアス・ユングは1963年、マグデブルク出身。ワイマール音楽大学で声楽と指揮を学ぶ。ワイマール・ヴォーカル・コンソートを創設し、多くの国際コンクールで優秀な成績を修める。1991年にドレスデン聖十字架合唱団の指導者となり、1994年から1996年まで同合唱団の音楽監督を代行する。1996年に、ザクセン声楽アンサンブルを創設する。
ヴァイオリンのアレクサンドラ・スムは1989年、モスクワ出身。2歳の時に一家でフランスに移住した。5歳から父の指導でヴァイオリンを始める。7歳の時には、ウクライナで初のコンサートを行う。その後ウィーンに移り、ボリス・クシュニールに師事。ウィーン音楽院、グラーツ国立音楽大学で学ぶ。2004年にルツェルンで開催された、ユーロヴィジョン・コンクールで優勝。現在は、フランスを拠点に活動を行なっている。
チェロのイサン・エンダースは1988年、フランクフルト出身。12歳でミハエル・ザンデルリングに師事。その後、リン・ハレルに師事して大きな影響を受けた。20歳で、ドレスデン・シュターツカペレの首席チェロ奏者に任命される。ソリストとしてヨーロッパの主要オーケストラと共演。チョン・ミュンフン、エッシェンバッハ、インバル、メータ、ペトレンコといった著名な指揮者と共演している。シトコヴェツキー・ピアノ三重奏団のメンバーとして、室内楽の分野でも積極的に活動している。

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