OTAKEN RECORDS(日本)
辻井淳のライフワーク、ヴァイオリン小品集最新刊!「ジョスランの子守歌」
辻井淳は京都市響のコンサートマスターを退任した後、ソリスト、室内楽奏者(マイハート四重奏団)、宮川彬良率いるアサンブル・ベガのヴァイオリニストとして活躍中。(「辻」の字は正確には点が1つのしんにょう)
TKC-108 オープン価格
「ジョスランの子守歌」~ヴァイオリン小品集
1. ニン:エステーヴェの主題による舞曲の調べ
2. ドヴォルザーク:スラヴ舞曲第1番(クライスラー編)
3. フランク:アンダンティーノ・クゥイトーゾ
4. キロガ:ロンダージャ
5. ドビュッシー:巷に雨の降るごとく
6. クライスラー:道化師のセレナーデ
7. トゥリーナ:古典的な変奏曲
8. クーベリック:メロディ
9. キロガ:ハバネラ
10. ドヴォルザーク:インディアン・ラメント
11. R.シュトラウス:「薔薇の騎士」からワルツ
12. ゴダール:ジョスランの子守歌
13. サラサーテ:ペテネラス
14. バルデス:ジプシーのセレナーデ
辻井淳(ヴァイオリン)
藤井由美(ピアノ)
録音:2020年8月、滋賀県高島市ガリバーホール、63’03
プロデューサー:太田憲志(オタケン・レコード)
エンジニア:松田淳一(アンサンブル・ベガ ステージ・プランナー)
※今回取り上げたプログラム、前出のCDもすべて小品と呼ばれるものです。これらは交響曲やソナタなどの大規模作品とは一線を画していて、内容としては身近な生活に根ざしたものとなっている場合が多いのです。規模が大きくなるにつれ、その内容は抽象的なもの、普遍的なものとなり、理解しようと身構えれば甚だ困難なものとなっていきます。「運命」や「ジュピター」など作曲家本人の発案ではなくイメージ等から名付けられた名作も多々ありますが、「ジュピター」などに至っては解釈がギリシャ神話になぞらえるところまで行きつくものもあるようで、一般人の理解を超えてしまっているケースもあるようです。果たしてそこまで難解かどうかは別にして、聴きたいと切望している人は多いのも事実です。案外、当の作曲家本人は音を上下に遊ばせるがごとく、楽しみを以て単純に考えているのかもしれません。このあたりも想像して日常の会話のごとき小品を気楽に味わうのも一聴一幸ではないでしょうか。(辻井淳 ライナーノートより)
※レコード芸術2021年12月号準推薦。