金管五重奏でジャズから現代音楽まで!/他、新譜3タイトル

STRADIVARIUSレーベル(イタリア)

金管五重奏でジャズから現代音楽まで!
STR 37311
UN~カナヤ金管五重奏団
①ルチアーノ・ベリオ:コール(1985)
②-⑤ジュゼッペ・ガルバリーノ:ブラスの為に(1972-2009)
⑥⑦アレッシオ・マネーガ:モクの歴史(2021)
⑨⑩コルラード・サリエッティ:「エニータイム」から
(アンコール/ブルース)
⑪デューク・エリントン(フランチェスコ・レオーネ編):デューク組曲(2009)
⑫ジョージ・ガーシュウィン(ビル・ホルコム編):ラヴ・イズ・ヒア・トゥ・ステイ
⑬ジョージ・ガーシュウィン(ルー・ギルス編):フォー・ヒッツ・フォー・ファイヴ

カナヤ金管五重奏団:
【エリカ・パトゥルッコ(トランペット)
 ミケーレ・タラッビア(トランペット)
 マリア・ボゼッリ(ユーフォニウム)
 ニコロ・ボンベッリ(トロンボーン)
 フェデリーコ・アルマーリ(ホルン)】
録音:2023年4月11日〜13日 カンツォ礼拝堂 [40:03]
※イタリアの現代音楽にジャズの名曲を組み合わせたユニークなアルバム。現代音楽ではあるが歌の国イタリアらしく、それぞれのパートはメロディを持っていて各楽器の絡み合いが楽しい。このアルバムでエリントンとガーシュウィンを聴くと、ジャズも現代音楽の1つのジャンルであるというメッセージを感じることが出来る。
カナヤ金管五重奏団は2018年に、グイド・カンテルリ音楽院の出身者で結成された。若手作曲家を積極的に取り上げるなど、その活躍は目覚ましいものがある。「カナヤ」とはヴェネト地方の方言で「狐の様にずる賢い」を意味するが、ヴェネトの赤ワインの名前にもなっている。

※その他STRADIVARIUSレーベル新譜
STR 37308
「ハデスの創造物」
 ~マッテオ・ダミーコ(b.1955)作品集
①ハデスの創造物(2004)
②-⑤薔薇の形の詩(ピエル・パオロ・パゾリーニ詞)(2022)
(Ⅰ.薔薇の上の母のため息/Ⅱ.無口と無限の沈黙/Ⅲ.水仙と薔薇/Ⅳ.母への願い)
⑥アダージョ(2002-2024)
⑦聞き給え主よ(典礼文)(1991)
⑧鏡の中のモーツァルト(2006)

カルロ・ボッカドーロ(指揮)
イ・ポメリッジ・ムジカーリ管弦楽団
②-④⑦キアーラ・オゼッラ(メッツォ・ソプラノ)
録音:2024年6月21、24日ダル・ヴェルメ劇場、50’43
※マッテオ・ダミーコは1955年、ローマ出身。サンタ・チェチーリア音楽院で学ぶ。作曲を、バルバラ・ジュランナ、フランコ・ドナトーニに師事。ミュージック・トゥデイ・トーキョー他の国際コンクールで優勝している。現在でも毎年のように新作を発表して活躍している。この作品集は、どれを取っても隙のない充実した仕上がりとなっている。殆どの作品に表題があるからかも知れないが、作品のイメージが掴みやすく、しかも聴き応えがあるので最後まで聴き手の耳の集中力を切らす事がない。オゼッラのソロも素晴らしく、ボッカドーロの指揮も的確で、オーケストラもそれによく応えている。イタリアの音楽に興味のある方には大変お薦めしたいアルバム。

STR 37324
「カディッシュ」
~ジュリオ・カスタニョーリ(1958):ヴィオラ&チェロ作品集
①4つの小さな詩(チェロ・ソロ)
②変容(ヴィオラ&チェロ)
③カディッシュ(チェロ・ソロ)
④パッサッジョ(ヴィオラ&チェロ)
⑤ラーガ(チェロ・ソロ)
⑥3つのヘブライの讃歌(ヴィオラ&チェロ)
⑦高きところに(ヴィオラ・ソロ)

ダリオ・デステファノ(チェロ)
ジャコモ・インデミーニ(ヴィオラ)
録音:2024年7月15〜16日 カザーレ・モンフェッラート・シナゴーグ、72’22
※ジュリオ・カスタニョーリは1958年、ローマ出身。トリノ音楽院、フライブルグ音楽大学で学ぶ。ジルベルト・ボスコ、カルロ・ピネーリ、ブライアン・ファーニホウに作曲を師事。作品数は100を超えているが、音楽的ルーツをアンダルシア、北アフリカ、アジアに有ると言われている。このアルバムも異国趣味が漂う作品が聴かれ、曲のタイトルも東洋的、ユダヤ的なものとなっている。ライナーの写真にはカスタニョーリが収録に立ち合っている様子が写っており、作曲者の理想通りの演奏がされていると思われる。チェロもヴィオラも音がよく鳴りきっていて、非常にスリリングなサウンドが聴かれる。ユダヤ教のシナゴーグ(礼拝堂)での収録なので、演奏にもその雰囲気が反映されているようだ。

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