CASCAVELLEレーベル(スイス)
アルゲリッチとラビノヴィチの名コンビ2006年のライヴ!
ラフマニノフの組曲再録音、他
VEL 1742
「マルタ・アルゲリッチ&ラビノヴィチ=バラコフスキー
~ライヴ・イン・ルクセンブルク 2006」
①ラフマニノフ:組曲第2番 Op.17
(Ⅰ.序奏/Ⅱ.ワルツ/Ⅲ.ロマンス/Ⅳ.タランテッラ)
②ラフマニノフ:組曲第1番 Op.5
(Ⅰ.舟歌/Ⅱ.夜・愛/Ⅲ.涙/Ⅳ.復活祭)
③ラヴェル:「マ・メール・ロワ」~女王の陶器人形レドロネット
④ブラームス:ワルツ Op.39-15
(以下、アンコール[ボーナス・トラック])
⑤ラフマニノフ:前奏曲 Op.23-6/⑥ラフマニノフ:前奏曲 Op.23-7/
⑦メンデルスゾーン:無言歌「春の歌」Op.62–6/⑧ラフマニノフ:前奏曲Op.23-5
①-④マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)
①-⑧アレクサンドル・ラヴィノヴィチ=バラコフスキー(ピアノ)
録音:
①-④2006年5月24日 エヒタナハ音楽祭、フィルハーモニー・ルクセンブルク(ライヴ)
⑤-⑧1996年9月10日 ジャコバン音楽祭、トゥールーズ・ジャコバン教会(ライヴ)
※簡易紙ケース収納 (60’58)
※既に多くのアルバムをリリースしているこのコンビについては説明の必要はないと思われる。このコンビはラフマニノフの組曲第1番、第2番を1991年にTELDECにスタジオ録音しているが、今回は2006年のライヴで再録音にあたる。
ここに収録されたプログラムも期待を裏切らない内容で、2台ピアノの魅力を充分に堪能させてくれる。情熱に溢れた演奏だが、ペダルもタッチも冷静なコントロールを感じさせてくれる。録音場所がコンサートホールなので、大変クリアな収録である。
終わりの4曲はアンコールと銘打たれているが、ボーナス・トラック的なラビノヴィッチのソロである。こちらは別の音楽祭のライヴ。教会での録音で残響が少し増えるが、濁りのない音質。演奏のテンションも高く、通して聴いても違和感はない。
近年評価の高い作曲家ウィリアム・ブランクの独奏作品集
VEL 1746
「モノローグ」
~ウィリアム・ブランク(b.1957)作品集(世界初録音)
①叫んだ後(2001)~ジュネーヴ国際音楽コンクール委嘱作品
②断章Ⅲ(1989)~ティボール・ヴァルガ国際ヴァイオリン・コンクール委嘱作品
③コード(2013)~クリステル・ソート委嘱作品
④-⑥対立(2010)~ベルント・アロイス・ツィンマーマンを讃えて(コントルシャン委嘱作品)
⑦リフレイン(2012)~武満徹を讃えて(コントルシャン委嘱作品)
⑧電光(2014)~ジュネーヴ国際音楽コンクール委嘱)
①⑧ジル・グリメートル(Pf)
②ミラ・ワン(Vn)
③ファニー・ビセンス(アコーディオン)
④-⑥ジュヌヴィエーヴ・シュトロッセ(Va)
⑦レティーツィア・ベルモンド(Hrp)
録音:ハンブルグ、トーンラボール・スタジオ [68:59]
※簡易紙ケース収納
※ウィリアム・ブランク(作曲)は1957年、モントルー出身。ジュネーヴ音楽院で学ぶ。作品は世界各国で、デニス・ラッセル・ディヴィス、ハインツ・ホリガー、アルミン・ジョルダン、ファビオ・ルイージ、ケント・ナガノ、他の指揮で演奏されている。
タイトルから想像されるように、全て独奏作品で構成されたアルバム。しかも全て世界初録音である。コンクールの委嘱作品が3曲あるが、どの作品も技術的な難易度が高いようである。現代音楽をレパートリーにしている名手たちの演奏は、音楽への共感度が高く期待を裏切らない仕上がりである。