ゲオルク・フリッチュとバーディッシェ・シュターツカペレ第2弾!レーガー作品集!/他、新譜3タイトル

QUERSTANDレーベル(ドイツ)

ゲオルク・フリッチュとバーディッシェ・シュターツカペレ第2弾!レーガー作品集!
VKJK 2303(1CD、1.5枚価格)
「エディション・バーディッシェ・シュターツカペレ02」
レーガー:
ロマンティックな組曲 Op.125
モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ Op.132

ゲオルク・フリッチュ(指揮)
バーディッシェ・シュターツカペレ(バーデン州立管弦楽団)
録音:2023年1月29,30日 ドイツ バーデン=ヴュルテンベルク州 カールスルーエ (ライヴ録音)、DDD、61’32 ※ゲオルク・フリッチュとバーディッシェ・シュターツカペレによるロマン派管弦楽作品第2弾!
先に発売されたR.シュトラウスのアルプス交響曲(VKJK 2302)が予想を遥かに上回る名演だったドイツの指揮者、ゲオルク・フリッチュとその手兵バーディッシェ・シュターツカペレ(バーデン州立管弦楽団)の第2弾は、2023年が生誕150周年のマックス・レーガー、その比較的晩年の傑作2曲、「ロマンティックな組曲」と「モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ」。「ロマンティックな組曲」は、メンデルスゾーンの「夏の夜の夢」の音楽に連なるドイツの夢幻的音楽を受け継ぎつつ、ドビュッシーの近代的色彩感を仄かに漂わせた佳作。一方レーガーの代表作の一つ「モーツァルトの主題による変奏とフーガ」は、トルコ行進曲で有名なモーツァルトのピアノ・ソナタ第11番の第1楽章を主題に取った変奏曲とフーガ。基本的に2管編成のオーケストラを駆使し、1910年前後の肥大化した超巨大オーケストラ作品に対抗して後の新古典主義を先駆した作品。この作品は2023年11月のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団来日公演でキリル・ペトレンコが取り上げたのも記憶に新しいところ。
フリッチュとバーディッシェ・シュターツカペレの演奏はここでも大変素晴らしい。「ロマンティックな組曲」では、まさにロマンティックな思わず溜め息が出るほど美しい世界を繰り出す一方、「モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ」では、豊かな音楽の中にも末期ロマン主義からいち早く抜け出し新しい時代の音楽を目指したレーガーの先進性もくっきりと浮かび上がって来る。何よりもどちらの曲も、フリッチュの指揮の下でバーディッシェ・シュターツカペレが一つにまとまって有機的な音楽を奏でていることがよく分かり愉しい。
このコンビの今後が益々楽しみになる。

※その他QUERSTANDレーベル新譜
VKJK 2211
「歌えそして響け!ゲヴァントハウスのクリスマス」
来なさい、信じる者たちよ(神の御子は今宵しも)/マリア様はいばらの森を通ってきた/
ダイソン:マニフィカト ニ長調/ヨーゼフよ、私の親愛なるヨーゼフよ/
そして羊飼いがいた/天の高みから、私はここに来た/クリスマスの使者/
天の高みから、ああ天使が来た/聞け!先ぶれの天使たちが歌っている/
ベツレヘムに幼児が生まれた/今日キリストが生まれた/
エルハルト・マウエルスベルガー:クリスマス/
3つのエルツ地方のクリスマスの歌/きよしこの夜/眠りなさい、わが子よ/ああ君は喜び

フランク=シュテフェン・エルスター(指揮)ゲヴァントハウス児童合唱団
フランク=シュテフェン・エルスター(指揮)ゲヴァントハウス青年合唱団
グレゴール・マイヤー(指揮)ゲヴァントハウス合唱団
ゲヴァントハウス木管五重奏団
ラインホルト四重奏団
ゲヴァントハウス金管五重奏団
ゲヴァントハウス金管アンサンブル
ミヒャエル・シェーンハイト(オルガン)
録音:2022年9月,2023年1月 ドイツ ライプツィヒ,DDD、51’33
※様々なドイツのクリスマスの歌を集めたCD。祝祭的な華やかな曲から穏やかで静かな曲までクリスマスの雰囲気たっぷり。クリスマス・アルバムというと寄せ集めも多いところが、このCDの演奏はライプツィヒの一流団体ばかり、どれも素晴らしい演奏。年末を過ぎても一年中楽しめるものだろう。

VKJK 2307
「メルンの響きの歴史 聖ニコライ教会のオルガン」
プレトリウス:ドイツのマニフィカト(a)
シャイデマン:アレルヤ、ラウデム・ディチテ(a)
ヴェックマン:ああ、私たち哀れな罪びとは(a)
ファン・ロセム:しゃれ(a)
トゥンダー:前奏曲 ト短調(b)
ブクステフーデ:さあ来てください、異教徒の救い主よ BuxWV211(b)
トゥンダー:主よ、私はあなたに望みを持っている(b)
ブルーンス:前奏曲 ト長調(b)
カレルトン:ア・ヴェルセ(ac)
モーツァルト:主題と変奏 K.Anh 171/285b(ac)
ミューテル:幻想曲 ヘ長調(c)
ベーム:ただ愛する神を求める者は(c)
バッハ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV565(c)

ピーター・ヴァン・ダイク(オルガン a)
ティモ・ノイマン(オルガン b)
アフィト・ガスト(オルガン c)
録音:2023年4月28-29日 ドイツ メルン、DDD、80’52
※ハンブルク近郊、ドイツ最北部の町メルンの聖ニコライ教会のオルガンは1436年まで遡ることができる由緒正しいオルガン。ハンブルクのオルガン製作者、ヤコプ・シェラーの楽器を基に、18世紀にリューベックのユリウス・ビュンティングが増強している。しかしこのオルガンは20世紀の末には荒廃し切っていた。これが2018年から2022年までかけて慎重に修復され、かつての素晴らしい響きを取り戻した。そのオルガンのこれが初めてのCD。修復にかかわったピーター・ヴァン・ダイクとティモ・ノイマン、そして聖ニコライ教会の現カントール、アフィト・ガストが600年近い歴史を誇るオルガンの素晴らしい響きを披露してくれる。