①初期バロックのイタリアの作曲家マッツォッキの8声のための「夕べの詩篇」②フルート・ファンは必聴!ブリッチャルディ作品集!/他、新譜7タイトル(コンピュータ音楽・現代音楽)

AULICUSレーベル(イタリア)

初期バロックのイタリアの作曲家マッツォッキの8声のための「夕べの詩篇」
ALC 0094
ヴィルジリオ・マッツォッキ(1597-1646):8声のための「夕べの詩篇」
(トッカータ、神は私の救い主、詩篇109、110、天使は石に言った、詩篇111、
 カンツォーナ、永遠の美しい光、マニフィカト、サルヴェレジーナ、
 ほか全21トラック)

ミケーレ・ガスバッロ(指揮)
アンサンブル・フェスティーナ・レンテ
録音:2018年11月25日 ローマ聖アポリナーレ大聖堂[77:09]
※マッツォッキは初期バロックのイタリアの作曲家でモンテヴェルディより一世代後に属する。モテット、マドリガル、オペラ、オラトリオの作曲家として一時代を築いたが今日ではほとんど忘れられている。このアルバムは8声の混声合唱とオルガン、リュート、通奏低音からなる宗教楽曲。その荘厳で典雅な響きはイタリアン・バロックの美しい花といえよう。なかなか聴くことのできない貴重なアルバム。

フルート・ファンは必聴!ブリッチャルディ作品集!
ALC 0100
ジュリオ・ブリッチャルディ(1818-1881):
フルートとピアノのための作品集
①「イル・トロヴァトーレ」の主題による幻想曲Op.87
②アンダンテとポロネーズOp.62
③「ああ、どうしてあなたを憎めないのだろう」の主題による幻想曲Op.110
④「群盗」の主題によるディヴェルティメントOp.50
⑤ディヴェルティメントOp.44

パオロ・ダルモーロ(Fl)
マウリツィオ・フォルネーロ(Pf)
録音:2001年11月21-22日、トリノ [51:51]
※ジュリオ・ブリッチャルディは19世紀のヴィルトゥオーゾ・フルーティストで作曲家。当時の慣例に従って、当時ヒットしていたオペラの名旋律を使った幻想曲などを多く作曲した。また彼はフルートの演奏法の革新にも努めたと云われる。作曲家としては3つのフルート協奏曲を始め、木管四重奏曲、夥しい数のオペラの名旋律による幻想曲を残している。フルート・ファンは必聴。

※その他AULICUSレーベル新譜(コンピュータ音楽・現代音楽)
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ピエルルイジ・カロッツィ:「旅」~古代の調べ
(孤独な心、記憶、雲、幻影、天空、真実のための戦い、
 エントロピーの航海、ランニング・ボウ、旅、空想、
 幻想的な物語、ニンファ)

ピエルルイジ・カロッツィ(作曲、シンセサイザー、制作)
©&℗2023 [54:52]
※作曲家カロッツィ(Pierluigi Carrozzi)の生年は公表されていないが、ブックレットの写真から若手から中堅世代と思われる。ローマの聖ルイス音楽院で作曲と映画音楽を学び、主に舞台のための音楽とサウンド・エンジニアとして活動している。このアルバムは天地創造と世界の神話に霊感を受けて作曲されたもので、全編、シンセサイザーやコンピュータを駆使したニュー・エイジ・ミュージック風の壮大な音のオデッセイが描かれている。メディテーション・ミュージックや喜多郎が好きな人にお薦め。

ALC 0096
アナクレト・ヴィトロ(b.1985)作品集
【流紋岩、セレナイト、玄武岩、ラ・ウナ、白雲母、ラテライト、
 ボーキサイト、セレスティン(天青石)、カヤナイト(藍晶石)】

アナクレト・ヴィトロ(作曲、コンピュータ、制作)
©&℗2023 [48:05]
※全曲、鉱物を標題とテーマにしたコンピュータ・ミュージック。鉱物の組成成分をそのまま音に変換したようなノイズがひたすら続く。決して耳当たりのよい音楽とは言えないが、ノイズ系ミュージックの好きな人には垂涎ものだろう。作曲者のヴィトロ(Anacleto Vitolo)は当初ヒップ・ホップなどクラブ系の音楽活動をしていたが、やがてより過激な実験音楽、電子音楽に傾倒、2008年にサレモ音楽院が開催した電子音楽コンクールM.E.I.tech2008に優勝した。ルイージ・ルッソロ、エドガー・ヴァレーズに通じる、そのノイズ・ミュージックは20世紀に一時代を築いたイタリア未来派の血を受け継いでいると言えよう。

ALC 0097
アレッシオ・ミラーリア:交響曲第1番「混沌(Χάος)」
1)混沌 2)広大な虚空
3)深淵 4)空虚
5)裂け目 6)無秩序な状態

アレッシオ・ミラーリア(作曲、コンピュータ、制作)
©&℗2023 [43:38]
※作曲者ミラーリア(Alessio Miraglia)の生年は公表されていないが、ブックレットの写真から若手と思われる。交響曲第1番《混沌》はインストゥルメンタルとコンピュータ、シンセサイザーで制作された作品。混沌という標題の通り、空虚だとか無秩序な状態といった意味深な標題がつけられた5つの楽章から構成されるが、全体は意外と瞑想的で静かな音楽である。むしろペルトやブライアン・イーノを思わせる瞑想的でアンビエントな、この音楽を聴きながら、この世の無秩序や混沌とした状況について沈思黙考せよ、というのが作曲者の狙いかもしれない。

ALC 0098
ジャン=マリー・バンジャマン(b.1946):
交響組曲「ヴォイティワ調査書=試み」

ジャン=マリー・バンジャマン(作曲、シンセサイザー)
©&℗2023 [50:00]
※ジャン=マリー・バンジャマン(Jean-Marie Benjamin)はフランスの作曲家、指揮者、プロデューサー、作家。クラシックから映画音楽、ポップ・ミュージックまで幅広く手掛けている。政治や国際問題にも深い関心があり、ユニセフのイベント・オーガナイザーを勤めたこともある。この「ドシエ・ヴォイティワ」(ヴォイティワはローマ教皇ヨハネ・パウロ2世の本名)は彼自身の小説に基づく交響組曲。敬虔なカソリック教徒であるベンヤミンの心の巡礼の旅を描いた叙事詩を全編自ら弾くシンセサイザーで表現している。テレビ、映画音楽畑で培われた親しみ易い作風。

ALC 0099
「ソロ・エレメンツ」~マッツ・ヘドベリ(b.1962)作品集
ブレリアス、再発、スプリング、子供の歌I、
おかしなイベリアの夢I、ランゲルハン細胞、地層II、
アンダルシア、モトリトゥム、ドリーヴドI~IV

マッツ・ヘドベリ(ギター)
©&℗2023 [46:45]
※マッツ・ヘドベリはスウェーデンのギタリスト、作曲家。ハード・ロック、プログレシヴ・ロック、実験音楽、電子音楽などあらゆるジャンルの音楽に関わっているが、このアルバムではアコースティック・ギター一本でロック調の曲やスペイン風の音楽、中東風の音楽などエスニックな要素の濃い音楽を奏でている。