ヒストリカル・ファン待望のMELOCLASSIC新譜10タイトル!

MELOCLASSICレーベル(ドイツ=タイ)

ヒストリカル・ファン待望のMELOCLASSIC新譜10タイトル!
———————————————————–
※ピアノ編全7タイトル。簡易収納紙ケースを使用、特記無いものはモノラル。
MC 1069(2CD)
「ヴィルヘルム・ケンプ フランスでのピアノ・リサイタル 1954-1962」
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第11番 イ長調 K.331 「トルコ行進曲付き」
シューマン:ダヴィット同盟舞曲集 Op.6 (全18曲)
1962年5月7日 フランス ブザンソン (ライヴ録音)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調 Op.111
シューマン:クライスレリアーナ Op.16
シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番 変ロ長調 D960
1954年8月7日 フランス マントン (ライヴ録音)
バッハ(ケンプ編):「甘い喜びに」 BWV751
1948年12月6日 フランス パリ (放送スタジオ録音)

ヴィルヘルム・ケンプ(ピアノ) 151’15
※偉大なピアニスト、ヴィルヘルム・ケンプの3つの機会の録音集。いずれの曲もDGへの録音があるものの、ライヴでのケンプの魅力がたっぷり。1962年のブザンソンでの録音は、老境のケンプらしい早めのテンポで淡々と弾いているようで味わいたっぷりの音楽が素晴らしい。一方1954年のマントンでの録音は、50代の気力溢れるケンプの演奏に圧倒される。特にシューマンのクライスレリアーナでの取りつかれたような熱気はライヴならでは。一方でシューベルトのD960はしみじみと美しさが溢れる。あらためてケンプの偉大さを実感できる。
2分強のフランス語によるインタビュー付き。

MC 1070(2CD)
「ゲザ・アンダ オシアッハでのリサイタル 1970-1971」
シューベルト:ピアノ・ソナタ第13番 イ長調 D664
シューマン:ダヴィット同盟舞曲集 Op.6 (全18曲)
ショパン:12の練習曲 Op.25
1970年7月8日 オーストリア フェルトキルヒェン郡オシアッハ (ライヴ録音 ステレオ)
シューマン:交響的練習曲 Op.13(15曲)
ベートーヴェン:ディアベリ変奏曲 Op.120
ブラームス:間奏曲 変ホ長調 Op.117-1
1971年7月9日 オーストリア フェルトキルヒェン郡オシアッハ (ライヴ録音 ステレオ)

ゲザ・アンダ(ピアノ) 153’23’
※ハンガリー出身のスイスの名ピアニスト、ゲザ・アンダがオーストリアのオシアッハで行った2つのリサイタルのライヴ録音、しかもステレオ録音。アンダはDGに精力的に録音を行っていたものの、54歳で亡くなってしまったため録音はあまり多くなく、こうしたライヴは貴重。特にシューベルトはD960のソナタがあったくらいで、名曲D664が出てきたのは大いに歓迎されるだろう。じっくりと情感を豊かに広げるまさにアンダならではの名演。もう一つの驚きはショパンのOp.25の練習曲。アンダは24の前奏曲 Op.28は録音したが、他の曲は散発的に終わっている。抑え気味弾きながら緩急と起伏を自由に操り、内側からグイッと出る充実感がたいへんに見事。もちろんシューマン2作品、そしてベートーヴェンのディアベリ変奏曲は絶品。

MC 1071(2CD)
「ゲザ・アンダ 楽旅 1951-1961」
シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54
 アンリ・ペンシス(指揮)ルクセンブルク放送交響楽団
1951年12月20日 ルクセンブルク (ライヴ録音)
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 Op.23
 ルイ・ド・フロマン(指揮)ルクセンブルク放送交響楽団
1961年10月2日 ルクセンブルク (放送スタジオ録音)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 Op.18
 ルドルフ・ミヒル(指揮)ザールブリュッケン放送交響楽団
1956年5月26日 西ドイツ ザールラント州 ザールブリュッケン (放送スタジオ録音)
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.83
 フェレンツ・フリッチャイ(指揮)バイエルン国立管弦楽団
1958年5月12日 西ドイツ バイエルン州 ミュンヘン (ライヴ録音)

ゲザ・アンダ(ピアノ) 143’13
※ハンガリー出身のスイスの名ピアニスト、ゲザ・アンダの4つの演奏会での協奏曲を集めている。アンダはチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を若い頃に録音していたが、このルクセンブルクでの放送スタジオ録音はとても白熱した演奏、特に第3楽章終盤は、名匠ルイ・ド・フロマンの伴奏もあって実にスリリング。ブラームスのピアノ協奏曲第2番はDGに2度商業録音をしているほどのアンダのお得意曲。ここでも説得力の強い名演を聞かせてくれる。指揮はDG1回目と同じくフェレンツ・フリッチャイ。オーケストラがバイエルン国立管弦楽団なのでより大らかさが強く感じられる。もちろんシューマン、ラフマニノフも素晴らしい。

MC 1072(2CD)
「アリーヌ・ヴァン・バレンツェン ミュンヘン・リサイタル 1956-1960」
ブラームス:ピアノ・ソナタ第3番 ヘ短調 Op.5
1957年9月18日 西ドイツ バイエルン州 ミュンヘン (放送スタジオ録音)
シューマン:ピアノ・ソナタ第1番 嬰ヘ短調 Op.11
1958年7月12日 西ドイツ バイエルン州 ミュンヘン (放送スタジオ録音)
ドビュッシー:子供の領分
1960年7月1日 西ドイツ バイエルン州 ミュンヘン (放送スタジオ録音)
シューマン:交響的練習曲 Op.13(13曲)
1956年7月1日 西ドイツ バイエルン州 ミュンヘン (放送スタジオ録音)
シューマン:子供の情景 Op.15
1960年7月1日 西ドイツ バイエルン州 ミュンヘン (放送スタジオ録音)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第12番 変イ長調 Op.26 「葬送」
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番 ヘ短調 Op.57 「熱情」
1957年9月15日 西ドイツ バイエルン州 ミュンヘン (放送スタジオ録音)

アリーヌ・ヴァン・バレンツェン(ピアノ) 152’54
※今回のMELOCLASSICの新譜で最もお宝度が高いCD。アリーヌ・ヴァン・バレンツェンは、これまで本当に一部のピアノマニアにしか知られていなかった幻の名ピアニスト。1897年、米国、マサチューセッツ州サマービルの生まれ、本名はアリーン・イザベル・ホイル。ヴァン・バレンツェンは母親の旧姓。天才ピアノ少女として話題となり、ニューヨークを経て幼くしてパリに留学、パリ音楽院の準備コースでマルグリット・ロンに学んだ。1920年代から30年代まで欧州を中心に絶大な人気を誇り、特にパリでは様々な文化人と交流を結んだ文化界の花形だった。戦後も活動し、1981年まで長命したにもかかわらず、バレンツェンの録音は極めて少なく、CDはLPから起こした小品集がいくつかあった程度。2014年にmelo CLASSICがバレンツェンの放送音源をCD1枚で発売して話題になったが、今回はたっぷり2CD。どれもこれも貴重かつ素晴らしい演奏ばかりだが、特筆すべきは1960年のドビュッシーの「子供の領分」。気品のある美しい音色が煌めきながら舞い上がる演奏は、ベルエポックやレ・ザネ・フォルを肌で知っている時代の花だからこそのもの。これを聞けば誰もが即座にバレンツィンの素晴らしさに仰天するだろう。気品はバレンツェンの大きな特徴で、シューマンの「交響的練習曲」ではさらに情熱が、「子供の情景」では女性的な柔らかさ加わる。ベートーヴェンのソナタが2曲も見事。これまで謎に包まれていたバレンツェンの芸術を一気に理解できるこの上ないCDだ。

MC 1073(2CD)
「ジュリアス・カッチェン 楽旅 1960-1968」
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.83
 ルイ・ド・フロマン(指揮)ルクセンブルク放送交響楽団
1964年3月25日 ルクセンブルク (ライヴ録音)
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 Op.23
 ハンス・ミュラー=クライ(指揮)南ドイツ放送交響楽団
1964年4月3日 西ドイツ シュトゥットガルト (放送スタジオ録音)
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第1番 変ニ長調 Op.10
 カール・ランドルフ(指揮)NDR交響楽団
1960年1月6日 西ドイツ ハンブルク (放送スタジオ録音)
ラフマニノフ:パガニーニの主題によるラプソディ Op.43
 ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指揮)NDR交響楽団
1964年9月30日 西ドイツ ハンブルク (ライヴ録音)
バルトーク:ピアノ協奏曲第3番 ホ長調 Sz119 BB127
 ゲオルク・ルートヴィヒ・ヨッフム(指揮)南ドイツ放送交響楽団
1967年12月8日 西ドイツ シュトゥットガルト (ライヴ録音 ステレオ)
ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調
 シャルル・ブリュック(指揮)ORTFフィルハーモニー管弦楽団
1968年12月10日 フランス パリ (ライヴ録音 ステレオ)

ジュリアス・カッチェン(ピアノ) 156’09
※米国のピアニスト、ジュリアス・カッチェン(1926―1969)の協奏曲の録音集。ジュリアス・カッチェンは第二次世界大戦後間もなく欧州に渡って大活躍した米国人音楽家の代表的存在だが、僅か42歳で亡くなってしまった。この2CDの中では、商業録音を残さなかったプロコフィエフのピアノ協奏曲第1番が特に貴重。ブリュッセルでのブラームスのピアノ協奏曲第2番は燃焼度が高く、商業録音だけでカッチェンを聞いてはいけないことが分かる。カッチェンお得意のラフマニノフのパガニーニの主題によるラプソディは名匠ハンス・シュミット=イッセルシュテットの伴奏でこれもスリリング。バルトークのピアノ協奏曲第3番は、あまり広がらないとはいえステレオ録音なのがありがたい。そしてラヴェルの左手のための協奏曲では、ピエール・モントゥの高弟シャルル・ブリュックがパリの色彩豊かな伴奏で、カッチェンのピアノを引き立てている。どれもカッチェンの素晴らしい音楽を楽しみつつ、早世してしまったことに残念に思わざるを得ない2CDである。

MC 1074(2CD)
「ニキタ・マガロフ 演奏会楽旅 1955-1973」
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番 ト長調 Op.58
 モーリス・ル・ルー(指揮)フランス国立放送管弦楽団
1964年10月6日 フランス パリ (ライヴ録音)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 Op.30
 アンジェイ・マルコフスキ(指揮)ハノーファーNDR管弦楽団
1969年12月12日 西ドイツ ニーダーザクセン州 ハノーファー (ライヴ録音 ステレオ)
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 Op.23
 アンリ・ペンシス(指揮)ルクセンブルク放送交響楽団
1955年10月20日 ルクセンブルク (放送スタジオ録音)
ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
 ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指揮)NDR交響楽団
1963年10月23日 西ドイツ ハンブルク (ライヴ録音)
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 Op.26
 ズデニェク・マーツァル(指揮)フランス国立放送管弦楽団
1973年11月28日 フランス パリ (ライヴ録音 ステレオ)

ニキタ・マガロフ(ピアノ) 151’43
※20世紀の名ピアニストの一人、ニキタ・マガロフの協奏曲録音集。マガロフは1912年、ロシアのサンクトペテルブルクの生まれ。父親はジョージア、トビリシの上流階級の生まれ。母は地元サンクトペテルブルクの人。ロシア革命の後にフィンランドのヘルシンキに脱出、一旦米国へ移る物の、フランスに渡りパリ音楽院で学ぶ。1930年代にはパリで人気のピアニストとなり、戦後は巨匠として大いに活躍、またジュネーヴ音楽院での教職でも重きを置いた。マガロフのピアノはロマンティシズムとは一線を画した端正な音楽を基礎としつつも、しかし古き良き時代のピアノ美学も感じさせるもので、非常に独特である。マガロフの録音は多いものの、独奏曲(特にショパン)が主で、協奏曲の録音は限られている。ニューヨーク時代に接点のあったラフマニノフのピアノ協奏曲第3番は彼の初めての録音かもしれない。しかもステレオ録音。ラヴェルのピアノ協奏曲は名匠ハンス・シュミット=イッセルシュテットの伴奏。マガロフのピアノにも指揮にも、この作品が生まれた時のモダンな新鮮さが良く表れている。あまりベートーヴェンを弾かなかったマガロフだが、ピアノ協奏曲第4番は得意曲だった。彼も伴奏指揮のモーリス・ル・ルーも伝統的ドイツ的なベートーヴェンとは一線を画し、自由な発想で充実した演奏を繰り広げている。

MC 1075(2CD)
「ジョン・オグドン 演奏会楽旅 1965-1970」
シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54
 ヴァーツラフ・ノイマン(指揮)南ドイツ放送交響楽団
1967年3月10日 西ドイツ シュトゥットガルト (ライヴ録音 ステレオ)
リスト;ピアノ協奏曲第2番 イ長調 HS125
 アンドレアス・フォン・ルカーチ(指揮)南西ドイツ放送交響楽団
1970年3月6日 西ドイツ バーデン=ヴュルテンベルク州 バーデン=バーデン(放送スタジオ録音 ステレオ)
ブゾーニ:インディアン幻想曲 Op.44
 ルイ・ド・フロマン(指揮)ルクセンブルク放送交響楽団
1965年10月27日 ルクセンブルク (放送スタジオ録音)
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 Op.37
 ルイ・ド・フロマン(指揮)ルクセンブルク放送交響楽団
1965年10月25日 ルクセンブルク (放送スタジオ録音)
ラヴェル:左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調
 ラファエル・クーベリック(指揮)バイエルン放送交響楽団
1968年5月24日 西ドイツ バイエルン州 ミュンヘン (放送スタジオ録音 ステレオ)
ヒンデミット:ピアノ協奏曲
 フェルディナント・ライトナー(指揮)バイエルン放送交響楽団
1970年12月11日 西ドイツ バイエルン州 ミュンヘン (放送スタジオ録音 ステレオ)

ジョン・オグドン(ピアノ) 152’49
※英国のピアニスト、ジョン・オグドンの欧州各地での協奏曲の録音。ジョン・オグドンは1937年、イングランド、ノッティンガムシャーのマンスフィールド・ウッドハウスの生まれ。1962年、モスクワでのチャイコフスキー国際コンクールでウラディーミル・アシュケナージと共に優勝を分け合ったことで名高い。以来精力的に演奏活動を行ったオグドンだが、1973年に躁うつ病(双極性障害)を患い、さらに健康を害して1989年に52歳の若さで亡くなってしまった。全盛期は僅か十年強。
この2CDのうち、ブゾーニのインディアン幻想曲、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番、ラヴェルの左手のための協奏曲、そしてヒンデミットの協奏曲はオグドンが商業録音を残さなかった曲である。最も重要なものはブゾーニの「インディアン幻想曲」だろう。オグドンはブゾーニを強く敬愛していたが、残された録音は少なく、「インディアン幻想曲」もこれが始めて世に出るもの。ヒンデミットに至っては彼は1曲も商業録音を残しておらず、なおのこと貴重だ。アメリカ時代の1945年作のピアノ協奏曲は、オグドンの個性にピタリと合った音楽で、これがフェルディナント・ライトナーの指揮でステレオ録音で残されていたのは非常に幸運である。同様にラファエル・クーベリックの伴奏指揮によるラヴェルの左手のためのピアノ協奏曲もステレオ録音。オグドンのラヴェルは鮮やかな技巧で弾き切った充実感の残るものだ。

※ヴァイオリン・チェロ編全4タイトル。簡易収納紙ケースを使用、特記無いものはモノラル。
MC 2052(2CD)
「ヘンリク・シェリング 演奏会楽旅 1952-1976」
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ イ短調 Op.28
 アンリ・ペンシス(指揮)ルクセンブルク放送交響楽団
1952年1月17日 ルクセンブルク (ライヴ録音)
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
ラヴェル:ツィガーヌ
 カール・フォン・ガラグリ(指揮)ハルモニエン音楽協会(現 ベルゲン・フィル)
1955年5月26日 ノルウェー ベルゲン (ライヴ録音)
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47
 ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指揮)NDR交響楽団
1962年9月24日 西ドイツ ハンブルク (放送スタジオ録音)
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番 ト短調 Op.63
 ヴィルヘルム・シュヒター(指揮)NDR交響楽団
1957年10月16日 西ドイツ ハンブルク
グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op.82
 アンヘル・サウチェ(指揮)ヴェネズエラ交響楽団
1958年4月11日 ヴェネズエラ カラカス
ラロ:スペイン交響曲
 オイゲン・ヨッフム(指揮)ケルン放送交響楽団
1976年9月7日 スイス ルツェルン (ライヴ録音 ステレオ)

ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン) 153’55
※20世紀半ばの偉大なヴァイオリニスト、ヘンリク・シェリング(1918-1988)の様々な協奏曲、オーケストラ伴奏の作品の録音を集めている。シェリングは多くの商業録音を残し、そこから端正で美しいヴァイオリンという印象が広まった。ベルゲンでのメンデルスゾーンの協奏曲ではそのイメージ通りのキリリと美しい演奏だ。ところが同じ時のラヴェルのツィガーヌでは、猛烈な緩急をつけてしばしばオーケストラを振り切らんばかりになり、14年後の商業録音とは別人のようだ。我々の知っている整ったシェリングの中には、激しい情熱が燃えていることを分からせる演奏だ。シェリングと名匠ハンス・シュミット=イッセルシュテット音楽作りの方向性が一致していて、ここに収録されているシベリウスの協奏曲でも非常に完成度が高い。グラズノフのヴァイオリン協奏曲はシェリングが商業録音を残さなかった曲。彼はこの曲とは相性が良かったようで、素敵に仕上がっている。ルツェルンでオイゲン・ヨッフムが伴奏指揮したラロのスペイン交響曲はステレオ録音。

MC 2053(2CD)
「ハンガリーのヴァイオリニストたち~伝説的なフバイの弟子たち」
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第33番 ヘ長調 K.377
アンドレ・ジェルトレル(ヴァイオリン)、ハインリヒ・バウムガルトナー(ピアノ)
1958年3月12日 西ドイツ バーデン=ヴュルテンベルク州 シュトゥットガルト
(放送スタジオ録音)
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番 ニ短調 Op.27-3
リスト(フバイ編):ハンガリー狂詩曲(歌曲「三人のジプシー」の編曲)
 ローベルト・ヴィロヴァイ(ヴァイオリン)、アンドレ・コラール(ピアノ)
1953年10月5日 フランス パリ (放送スタジオ録音)
バッハ:無伴奏パルティータ第1番 ロ短調 BWV1002
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第4番 ホ短調 Op. 27-4
 ローベルト・ヴィロヴァイ(ヴァイオリン)
1978年1月27日 フランス パリ (放送スタジオ録音 ステレオ)
シューベルト:ヴァイオリン・ソナタ イ長調 D574 Op.162
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第10番 ト長調 Op.96
 シャーンドル・ヴェーグ(ヴァイオリン)、パウル・バウムガルトナー(ピアノ)
1957年2月23日 西ドイツ バーデン=ヴュルテンベルク州 シュトゥットガルト(放送スタジオ録音)
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
 アンドレ・ジェルトレル(ヴァイオリン)、ディアネ・アナセン(ピアノ)
1956年4月7日 西ドイツ バーデン=ヴュルテンベルク州 シュトゥットガルト (放送スタジオ録音)
ドビュッシー(ハイフェッツ編):亜麻色の髪の乙女
ドゥサーニュ:前奏曲第2番
ヴェラチーニ:ヴァイオリン・ソナタ イ長調 Op.2-6~ラルゴ
 ローベルト・ヴィロヴァイ(ヴァイオリン)、リアーヌ・アルトマン(ピアノ)
1978年1月27日 フランス パリ (放送スタジオ録音 ステレオ)
(156’44)
※MELOLASSICお得意の埋もれた名演奏家をまとめたCD。ここではイェネ・フバイ門下の4人のヴァイオリニストの演奏を収録している。
アンドレ・ジェルトレル(1907-1998)は、ハンガリーのブダペスト生まれで、若いうちにベルギーのブリュッセルを拠点としたヴァイオリニスト。バルトークの擁護者として知られた。1958年のモーツァルトのK.377のソナタは、ロマン主義を排したクッキリと清潔なモーツァルトで聞きごたえがある。フランクのヴァイオリン・ソナタは、抑えた中に豊かな味わいが広がる紳士の演奏。
ローベルト・ヴィロヴァイ(1921-2015)は、現在はクロアチア領のダルヴァルに生まれたハンガリー系のヴァイオリニスト。13歳で晩年のフバイの弟子になり、師は彼を絶賛した。フバイが亡くなった1937年3月に行われたウジェーヌ・イザイ・コンクール(後のエリザベート王妃国際音楽コンクール)では、 第1位にダヴィッド・オイストラフ、第2位にリカルド・オドノポソフ、第7位にローラ・ボベスコらが並ぶ中、16歳になったばかりのヴィロヴァイが第9位に入賞し、一気に名を広めることになった。1940、50年代とヴィロヴァイは国際的に活躍したが、その後活動を縮小し、教職や、避暑地であったスイス、ローザンヌのローザンヌ室内管弦楽団の一員として過ごすなど、ソリストから退いてしまった。そのため94歳と長命したが録音は皆無に等しく、すっかり忘れられてしまった。しかしこのCDに収められている彼の演奏を聞けば、フバイが絶賛しただけの力量を確実に感じられるだろう。
シャーンドル・ヴェーグ(1912-1997)については多くを語る必要はないだろう。1957年のシューベルトとベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタは、パウル・バウムガルトナーのピアノともども、至福の一時を味合わせてくれる。
ディアネ・アナセン(Diane Andersen 1934- 日本では ダイアン・アンデルセン という英独チャンポンのカナ表記が多い)は、デンマークのピアニスト。
※本体の背と裏面の品番が MC 1073 と誤っております。シュリンクラップの上から正しい品番をシールで貼って修正する予定です。あらかじめご了承くださいませ。

MC 3017(2CD)
「ジャクリーヌ・デュ・プレ 演奏会ライヴ 1965-1969」
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104
 ズビン・メータ(指揮)ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1968年8月4日 オーストリア ザルツブルク州 ザルツブルク (ライヴ録音)
シューマン:チェロ協奏曲 イ短調 Op.129
 マルティン・トゥルノフスキー(指揮)NDR交響楽団
1969年1月24日 西ドイツ ニーダーザクセン州 ハノーファー (ライヴ録音)
バッハ:チェロとピアノのためのソナタ第3番 ト短調 BWV1029
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第5番 ニ長調 Op.102-2
シューマン:幻想曲集 Op.73
ブリテン:チェロ・ソナタ ハ長調 Op 65
 スティーヴン・ビショップ(スティーヴン・コヴァセヴィッチ)(ピアノ)
1965年6月11日 西ドイツ バーデン=ヴュルテンベルク州 エトリンゲン(ライヴ録音)

ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ) 133’43
※MELOCLASSICがなんとジャクリーヌ・デュ・プレのライヴ録音を発掘!彼女の唯一のザルツブルク音楽祭出演となった1968年8月4日のドヴォルザークのチェロ協奏曲は伝説的名演。デュ・プレもメータも燃えまくり、終演後は大喝采。もう一つのお宝はブリテンのチェロ・ソナタ。これまで1965年2月の部分的な録音があったものの、全曲はこれが初登場かも。もう一つのお宝はバッハのヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ BWV1029をチェロとピアノで弾いた演奏。そもそもデュ・プレはバッハの録音が少ないので、1曲丸ごと出て来るだけで待望のもの。シューマンは協奏曲も幻想曲集も情感豊かで、デュ・プレに打って付け。エトリンゲンのリサイタルは本名時代の名ピアニスト、スティーヴン・コヴァセヴィッチが伴奏ピアノというのもありがたい。
MELOCLASSICは一度品切れするとそのまま再プレスがないことがしばしばなので、デュ・プレ・マニアの方はくれぐれもお早めに。