STRADIVARIUSレーベル(イタリア)
クリスティアン・シュミットの古典派オーボエ協奏曲!
STR 37221
モーツァルト:オーボエ協奏曲 ハ長調 K.314
ハイドン:オーボエ協奏曲 ハ長調 Hob.VIIg:C1
クロンマー:オーボエ協奏曲第1番 ヘ長調 Op.37
クリスティアン・シュミット(オーボエ)
ペルージャ室内管弦楽団
録音:2021年11月16,17,18日 イタリア ウンブリア州 チッタ・デッラ・ピエーヴェ [65’08]
※オーボエ奏者のクリスティアン・シュミットが古典派のオーボエ協奏曲3曲を録音。モーツァルトのオーボエ協奏曲は言うまでもない人気作。ハイドンのオーボエ協奏曲は偽作扱いだがこれも人気がある。モラヴィア出身でウィーンで活躍したフランティシェク・ヴィンツェンツ・クラマーシュ(ドイツ名フランツ・クロンマー,1759-1831)はヘ長調のオーボエ協奏曲を2曲残しており、ここに収録されているのは第1番。優美な中にも力強さのある素敵な曲。
クリスティアン・シュミットは1965年生まれのオーボエ奏者。リヨン国立高等音楽院、カールスルーエ州立音楽大学で学ぶ。1992年から2012年までバーゼル交響楽団のオーボエ奏者。その後は独奏者として活躍する一方で、指導者としても高名。シュミットのオーボエは明るく温かみがありしかも知性的。3曲とも素晴らしいがやはり傑作モーツァルトの協奏曲にうっとりさせられる。なお指揮者はおらずシュミットの吹き振りと思われる。またペルージャ室内管弦楽団のコンサートマスターである大西梓が参加している。
アンカ・ヴァシーレ・カラマンの無伴奏ヴァイオリン作品集第4弾!
STR 37199
テレマン:12の幻想曲TWV 40:14-25
~通奏低音なしのヴァイオリンのための
アンカ・ヴァシーレ・カラマン(ヴァイオリン)
録音:2021年7月1日 イタリア ロンバルディア州 イゼーオ、[64’59]
※テレマンのヴァイオリン曲の代表作の一つである、無伴奏ヴァイオリンのための幻想曲集全12曲の新録音。アンカ・ヴァシーレ・カラマンはルーマニア生まれのヴァイオリニスト。4歳からヴァイオリンを始め、ブカレストで学んだ後、2006年にローマのサンタ・チェチーリア国立アカデミアに留学。そしてイタリアを中心に国際的に活躍している。ここでのテレマンはモダン楽器による丁寧な演奏で、テレマンの創意が伝わって来る。
カラマンの無伴奏作品シリーズは「パガニーニ:24のカプリース(STR37193)」「バッハ:ソナタとパルティータ(全曲)(STR37196)」、「イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ集Op.27(STR37200)」の3タイトルが発売になっている。
石島正博の作品も収録!
音の魔術師シャリーノを始めとする打楽器アンサンブル作品集
STR 37216
「ONDES(波)」~打楽器アンサンプル作品集
①ベンジャミン・ラング(b.1976):「オルフーザの峡谷」(2018)
~6人の打楽器奏者、3台のピアノとチェレスタのための
②サルヴァトーレ・シャリーノ(b.1947):「三十年に渡るざわめき」(1967-99)
~6人の打楽器奏者のための
③石島正博(b.1960):「イン・パラディスム(楽園にて)」(2020)
~6人の打楽器奏者とエレクトロニクスのための
④マティアス・シュタイナウアー(b.1959):「波の測量」(2017-18)
~6人の打楽器奏者、3台のピアノとチェレスタのための
シモーネ・マンクーゾ(指揮)ルガーノ打楽器アンサンブル
③向井響(エレクトロニクス)
録音:2021年2-8月ルガーノ、スイス [58:38]
※ルガーノ打楽器アンサンブルはその名の通り、スイスにおけるイタリア語圏であるルガーノに拠点を置くグループ。今やイタリア現代音楽界の重鎮シャリーノの世界初録音作品から日本の桐朋学園大学で教鞭を執る石島正博の作品ほか新旧様々な世代の作曲家の作品を収録。特殊奏法ばかりの斬新な音響で作曲するシャリーノ作品はここでは意外にも静けさに満ちた瞑想的な音楽。ライヴ・エレクトロニクスを伴う石島作品は楽園を象徴するかのような鳥の声に似た響きで始まるが、やがてアフリカ風のリズムやヴァレーズの「イオニゼーション」を想起させるパトカーのサイレンなどが入り、現代文明への警鐘であろうか、聴き手に何らかの問題意識を想起させる秀作。この作品ではエレクトロニクスを日本現代音楽界の若きホープ、向井響が担当しているのも注目。
※その他STRADIVARIUSレーベル新譜
STR 37218
「オン・ザ・ムーヴ(走行中)」
①アレックス・ミンチェク:「それはそれ自体の中に隠されている」(2007)
~ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとピアノのための
②エリック・ワッベルズ(b.1980):「螺旋」(2018)
~ピアノのための
③アシュカン・ベーザディ:「アーモンド」(2017)
~ヴァイオリン、チェロとピアノのための
④エリック・ワッベルズ:「シヴァラー」(2007)
~フルートとピアノのための
⑤マリオ・ディアス・デ・レオン(b.1979):「震える時間」(2009)
~ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのための
アンサンブル・アルテルナンス:
【ジャンヌ=マリー・コンクエル(Vn)
フレデリク・バルダサーレ(Vc)
ジャン=リュック・メネ(Fl)
クレア・メルレ(Va)
ディミトリ・ヴァシラキス(Pf)】
録音:2021年11月モントルイユ(フランス)
※簡易収納紙ケース
※ピアノ四重奏(Vn,Va,Vc,Pf)にフルートを加えた5人からなるこのアンサンブルは一見、クラシカルな編成だが、組み合わせ次第で実にヴァラエティに富んだユニークな表現が可能なユニットである。
このアルバムには伝統的な編成であるピアノ四重奏で書かれたミンチェクの「それはそれ自体の中に隠されている」(しかし書法は全く伝統的ではなく、点描的で激しい音楽である)からデ・レオンの弦楽三重奏曲「震える時間」(編成はクラシカルだが、やはり歴史から完全に解き放たれた実験的な作風である)、そしてピアノ・ソロ(ワッベルズの螺旋)まで、驚くほどフレキシブルで変化のある作品が収められており、聴き手を最後まで飽きさせない。
STR 37223
ロッサーノ・ピネッリ(b.1961):ピアノ作品集
シュヴェイク・スタジオ~4手連弾のための/
A/液体/頂点/波/タンゴ~4手連弾のための/
色彩/電子羊/壁紙スタジオ/
バベンゼルの聖母~4手連弾のための
ジョヴァンニ・マンクーゾ(Pf)
アンドレア・レバウデンゴ(Pf)
録音:2021年12月13日ブレシア大劇場小ホール、イタリア [56:57]
※ロッサーノ・ピネッリはクラシックとジャズを学んだ後、リゲティ、ドナトーニのマスター・クラスに参加、その後オランダのミニマリスト、ルイ・アンドリーセンにも私淑した。そうしたヴァラエティ溢れる経歴、人脈を反映してか、彼の作品には様々な様式、作曲家の影響が感じられる。が、決して小難しいゲンダイ・オンガクではない。静かで瞑想的な曲はサティ、ブライアン・イーノ、ハロルド・バッドの音楽を、賑やかで祝祭的な曲にはプーランクを、激しくリズミックな音楽にはスティーヴ・ライヒやリゲティのエコーが聴き取れる。多調、ポリリズムも多用され、コンロン・ナンカロウあたりの音楽が好きな人におすすめ。サティ、プーランクからミニマル・ミュージックまでジューサー・ミキサーにぶちこんだらこんな感じになりそう。
STR 37228
「花は人なり、花だけなり・・・」
~ジェルジ・クルターグ(b.1926):フルート作品集
①「ある場面」Op.39~無伴奏フルートのための
②「サイン、遊び(ヤテコーク)、メッセージ」~フルート、アルト・フルート、バス・フルートとピアノのための
③「サイン、遊び(ヤテコーク)、メッセージ」~フルート独奏のための
④「バガテル」Op.14/d~フルート、コントラバスとピアノのための
アレッサンドラ・ロンボラ(Fl)
ベネデット・ボックーツィ(Pf)
ハコン・テリン(Cb)
パオロ・レオナルディ(Voice)
録音:年月日不記載 プロペラ・スタジオ、オスロ、ノルウェー [57:59]
※当年96歳のハンガリー現代音楽界の重鎮クルターグのフルートを中心とした作品集。それぞれの作品は全て6曲から9曲の小品よりなる組曲風に構成されており、それらの小品はちょっとしたアイデアの実験であったり、友人に捧げられたオマージュであったり(ブーレーズに捧げられた作品もあればJ.S.バッハに捧げられた作品もある)と小さな星が集まって星雲を形作っているようなスタイル。現代版ミクロコスモス(クルターグは祖国の大先輩バルトークを大変尊敬していた)といった内容。
STR 37233
「アルド・ボッタ/無伴奏クラリネット・リサイタル」
ガエターノ・ドニゼッティ(1797-1848):第1練習曲
ゴードン・ジェイコブ(1895-1984):クラリネット独奏のための5つの小品
ニーノ・ロータ(1911-1979):古屋敷の心霊術
アゴスティーノ・ガブッキ(1896-1976):クラリネット独奏のための即興曲
ハラルド・ゲンツマー(1909-2007):クラリネット独奏のための幻想曲
ジャコモ・ミルッチオ:クラリネット独奏のための狂詩曲
アンテ・グリギン(b.1945):奇想曲第1番
ミケーレ・マンガーニ(b.1966):練習曲第1番
ヌンツィオ・オルトラーノ(b.1967):ソロ
アルド・ボッタ(クラリネット)
録音:2022年1-2月 [56:55]
※クラリネットのアルド・ボッタは1994年イタリア出身。チマローザ音楽院を首席で卒業した後、サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団のユース・オーケストラで研鑽を積み、その後はソリストとして活動している。このディスクには歌劇「愛の妙薬」で知られるドニゼッティの珍しいクラリネット独奏曲や映画音楽で知られるニーノ・ロータのこれまた貴重な独奏曲が収められている。ドニゼッティの練習曲はまるでオペラの超絶技巧のアリアを思わせて面白い。ロータの「古屋敷の心霊術」は主題と変奏による9曲からなる作品。映画の一場面を思わせる流麗な旋律と確かな変奏技法で書かれた秀作。他に20世紀の作曲家の作品が多数含まれているがいわゆる前衛音楽ではなく、比較的親しみ易いものばかり。クラリネット奏者や学習者は持っておいて損のない一枚。
STR 37236
フンメル:ピアノ・ソナタ第5番 嬰ヘ短調Op.81
クレメンティ:カプリッチョ第4番 ホ短調Op.47-1
クレメンティ:ピアノ・ソナタ ヘ短調Op.13-6
セバスティアーノ・メザーリオ(ピアノ)
録音:イタリア フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州 サチーレ(フンメル)&フリウリ(クレメンティ)
[65’52]
※イタリアのピアニスト、セバスティアーノ・メザーリオによるフンメルとクレメンティ。フンメルのピアノ・ソナタ第5番は知る人ぞ知る古典派ピアノ・ソナタの隠れた傑作。古典派とはいえ時にかなりロマンティックで、ベートーヴェンのような情熱と力強さもありつつ、後期のシューベルトのような暗い陰りもあり、しかし華やかなヴィルトゥオーソ名技にも不足はなく、なかなかに個性的。幼い頃にモーツァルトの愛弟子だったフンメルが成長して時代の最先端を走っていたことを伝える証拠である。もしフンメルの名前は知っているけれど作品は聞いたことがないという方は、まずはこのセバスティアーノ・メザーリオの熱演を聞いてみてはいかがだろうか。セバスティアーノ・メザーリオは1990年、イタリア、ウーディネ生まれのピアニスト。様々なコンクールで賞を得て、人気も実力も急上昇中。古典派の構成を崩さずに情熱的に攻め込む音楽が素晴らしい。クレメンティの2曲も気持ちのよい演奏。
STR 37238
「ラウラ・プレイズ・ラウラ」
デイヴィッド・ラクシン(1912-2004):「ローラ(ラウラ)」(ラウリンド・アルメイダ編)
ジャンカルロ・ファッキネッティ(1936-2017):ギターのための組曲(2016)
ジャンカルロ・ファッキネッティ:ラウラのための幻想曲(2010)
アリエル・ラミレス(1921-2010):アルフォンシーナと海(フェルナンド・アルフォンソ編)
ジェローム・カーン(1885-1945):煙が目にしみる(フェルナンド・アルフォンソ編)
ジョセフ・コズマ(1905-69):失われた恋(武満徹 編)
ルー・リード&バリー・メーソン:ラスト・ワルツ(武満徹 編)
ベンジャミン・ブリテン(1913-76):ジョン・ダウランドによるノクターナル(1963)
ラウラ・モンディエッロ(ギター)
録音:2018-19年 [57:59]
※ブリテンのギターの名曲「ジョン・ダウランドによるノクターナル」とラウラ・モンディエッロのためにファッキネッティが作曲した新作を中心に、その間に映画音楽やシャンソンのギター編曲物を収録した珠玉のアルバム。武満徹のギター編曲集「ギターのための12の歌」は世界中のギタリストに愛され、彼らの定番レパートリーになっているが、ここでも2曲が取り上げられている。アルバム・タイトルの「ラウラ・プレイズ・ラウラ」はデイヴィッド・ラクシンの映画音楽の名曲「ローラ」(イタリア読みではラウラ)に由来する。いずれも美しいメロディとハーモニーに溢れた名曲、名編曲でギター・ファンは必聴。
STR 37239
「幻灯機」~隠された文字
スウェーリンク:半音階的トッカータ(半音階的幻想曲)
フローベルガー:トッカータ第6番ト短調FbWV106
フローベルガー:トッカータ第2番ニ短調FbWV 102
M.カヴァッツォーニ:カンソン「もう悔いはない」
M.カヴァッツォーニ:レチェルカーダ
フレスコバルディ:トッカータ第5番 オルガンでペダルを用いてもしくは無しで
フレスコバルディ:カンツォーナ第4番
フレスコバルディ:バッサ・フィアメンガによるカプリッチョ
ロッシ:トッカータ第3番
フレスコバルディ:ベルガマスカによるカプリッチョ
フレスコバルディ:ソファミレドによるカプリッチョ
イレーネ・デ・ルーヴォ(オルガン)
録音:2021年9月9-10日 イタリア トスカーナ州 ピストイア [60’52]
※北イタリアを中心に活動するイタリアの中堅オルガン、チェンバロ奏者、イレーネ・デ・ルーヴォのオルガン作品集。トッカータやカプリッチョなどが集められており、演奏も自由度が高い。イタリア、トスカーナ州ピストイアの聖イグナツィオ・デ・ロヨラ教会に設置されている、1664年、ウィレム・ヘルマンス製作のオルガンを使用。
なお、フローベルガーのトッカータ第6番がジャケット裏とブックレットでは Toccata IV と表記されています。