アポロ・アンサンブルがQUERSTAND初登場!モーツァルト:交響曲第40番&シューベルト:交響曲第5番/他、新譜7タイトル

QUERSTANDレーベル(ドイツ)

アポロ・アンサンブルがQUERSTAND初登場!
モーツァルト:交響曲第40番&シューベルト:交響曲第5番
VKJK 2206
モーツァルト:交響曲第40番 ト短調 K.550
シューベルト:交響曲第5番 変ロ長調 D485

ダヴィド・ラビノヴィチ(指揮)
アポロ・アンサンブル
録音:2020年11月 オランダ 北ホラント州 ホールン、DDD、63’41
※ダヴィド・ラビノヴィッチ率いる古楽オーケストラ、アポロ・アンサンブルがquerstandにお目見え、しかもモーツァルトの大ト短調交響曲とシューベルトの第5交響曲という人気古典交響曲2曲。ダヴィド・ラビノヴィッチは1959年、ソ連時代のウクライナのニコライウの生まれ。名ヴァイオリニストにして名教師のザハール・ブロンに学んだ後、1994年から2000年までオランダのハーグ王立音楽院で古楽を学んだ。以降アムステルダムやロンドンなどのピリオド楽器オーケストラのヴァイオリン奏者として大活躍をした。1992年創設のアムステルダムのピリオドオーケストラ、アポロ・アンサンブルの音楽監督を2000年から務め、評価を高めている。このCDも数多くの古楽団体で腕を磨いたラビノヴィッチの経験が万全に生きた演奏。大ト短調交響曲ではロマン派の思い詰めたような表情はさっぱりと流され、かといってことさらに刺激的に荒ぶって演奏するのでもなく、あくまで初演当時の演奏様式に根差してリピートもすべて実行し、作品本来の姿を克明に浮き上がらせることでこの異形の傑作を演奏。なおクラリネットなしの初稿を使用。一方シューベルトの第5交響曲は、基本的に初期古典派らしく演奏しつつ、その範囲内で未完成交響曲や大ハ長調交響曲へ繋がるほの暗いロマンティシズムを巧く引き出して良い味わいに仕立てている。これからもダヴィド・ラビノヴィチ率いるアポロ・アンサンブルに期待したくなる演奏だ。

※その他QUERSTANDレーベル新譜
VKJK 2109
「ビーバー&ムッファト:ヴァイオリン作品集」
ビーバー:ソナタ第3番ヘ長調~ヴァイオリンと通奏低音のための
ビーバー:ロザリオのソナタ~磔刑
ムッファト:「音楽とオルガンの資料」~パッサカリア ト短調
ビーバー:ロザリオのソナタ~パッサカリア
ムッファト:ソナタ ニ長調 ヴァイオリンと通奏低音のための
ビーバー:ソナタ第1番イ長調~ヴァイオリンと通奏低音のための

ドーラ・シラージ(バロック・ヴァイオリン)
フローラ・ファーブリ(チェンバロ)
録音:2021年9月6-8日 ドイツ フライブルク、DDD、67’11
※今注目のハンガリー出身の二人の女性演奏家によるビーバーとムッファトのヴァイオリン作品集。ドーラ・シラージはブダペストのフランツ・リスト音楽大学を修了後、フライブルクに移ってゴットフリート・フォン・デア・ゴルツ(フライブルク・バロックオーケストラのリーダー)に学ぶ。バロックの室内楽を中心に活動しつつ、バロック・ヴァイオリンのソリストとしても名声を築きつつある。ドイツ仕込みの折り目正しい格調高い演奏を基本にしつつ、時折見せつ熱っぽさが素敵だ。フローラ・ファーブリはブダペストで学んだ後、ミュンヘンでクリスティーネ・ショルンスハイムに学んだチェンバロ奏者。彼女はマンハイム歌劇場などの歌劇場でコレペティトゥーア(練習伴奏ピアニスト)も務めているからか、伴奏の勘所が非常に良く、ここでもシラージのヴァイオリンを絶妙に引き立てている。選曲も良くビーバーとムッファトの魅力をたっぷり楽しめる。

VKJK 2110
「フランスのヴィオル作品集」
フォルクレ:ルクレール/ラボルド/ブロン
マレ:人間の声
フォルクレ:摂政/トロンシャン
サント=コロンブ:コンセール第44番 トンボー「悔い」
ウデリンヌ:組曲 ニ短調
マレ:スペインのフォリア

アンサンブル・アルト・デコー:
ユリアーネ・ラーケ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 イレーネ・クライン(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 カーステン・ローフ(チェンバロ)
 マグヌス・アンデション(リュート)】
録音:2021年9月6-9日 ドイツ ベルリン ヴァンゼー、DDD、69’03
※ユリアーネ・ラーケ率いるアンサンブル・アルト・デコーによる新録音は、フランスのヴィオルの三大作曲家、アントワーヌ・フォルクレ(1672-1745)、マラン・マレ(1656-1728)、サント=コロンブ(1640頃-1690頃)の作品。さらに17世紀の謎多きヴィオル奏者、ルイ・ウデリンヌの組曲も収録。ラーケのヴィオラ・ダ・ガンバはいつもながら雄弁。フランスバロックということで華やかさもあるものの、やはりドイツ風の理路整然とした趣も残っていて、伴奏含め完成度の高い仕上がりになっている。

VKJK 2111
ヴォルフ:イタリア歌曲集(全46曲)
小さなものでも/噂によると/あなたはこの世の中で/
祝福あれ、この世をお創りになった方に/幸いなるかな、盲目の者は/
誰があなたを呼んだのか/月はひどい嘆きを抱えて/さあ平和を締結しよう/
あなたの魅力のすべてが/あなたは 細い一本の糸で/どれほど長い間/
いいや、若いお方よ!/あなたは高慢だ/友よ、修道服に身を包もう/
私の恋人は背が低い/戦場に向かう若い人たちよ/
あなたが恋人の死を見たいなら/金髪の頭を/私たち二人は長いこと/
私の恋人が家の前で歌う/人が言うには/あなた方にセレナーデを/
いったいどんな歌を/私はもう乾いていないパンを食べることはない/
私の恋人が私を食事に誘った/聞いた話では/ベッドに疲れた身を投げたのに/
私は侯爵夫人じゃないと言うけれど/あなたの身分は分かっている/
放っておけばいい!/どうして陽気でいられようか?/
何を怒っているのかい/私が死んだら/あなたが朝早くにベッドから起きて/
あなたの亡くなったお母さまに祝福があるように/
あなたが、愛する人よ、もし天国に召されるようなことがあれば/
どれだけたくさんの時間を私は無駄にしたことか/あなたは私を一瞥すると/
緑に幸いがあるように!/もしあなたの家がガラスのように透明だったら/
昨夜私が目を覚ますと/もうこれ以上私は歌えない/ちょっと静かに黙りなさい!/
あああなたは知っているのか、どれほど私があなたのために/
深淵が私の恋人の小屋を飲み込むがいい/私にはペンナに住む恋人がいる

ミレッラ・ハーゲン(ソプラノ)
トビアス・ベルント(バリトン)
フランク=インモ・ツィヒナー(ピアノ)
録音:2020年7月23―24日 ドイツ ベルリン ダーレム、DDD、73’52
※ヴォルフの傑作、イタリア歌曲集に素晴らしい録音が登場。ズバリ申し上げて、これは今メキメキと人気ソプラノへと駆け登っているミレッラ・ハーゲンを聞くべきCD。ミレッラ・ハーゲンは1984年、バイエルン州ヴュルツブルクの生まれ。彼女の美声はクリスタルに喩えられるほどの透明で硬質で素晴らしい響き。バロックやモーツァルトを得意とする一方、ピンと張った声はロマン派でも圧倒的で、2013年から2015年に渡ってバイロイト音楽祭でヴォークリンデと森の小鳥を歌った。そして彼女はヴォルフには強い思い入れがあるようで、2012年、シュトゥットガルトでの歌曲コンクールでヴォルフを歌ってファイナリストに入っている。それから8年後のハーゲンは表現もしっかり練られている。CDでは歌曲の録音はどうしてもベテランが受け持ちがちだが、若く瑞々しい声の歌手によるドイツリートは実に新鮮だ。一方のバリトンのトビアス・ベルントも素晴らしい。1979年、ベルリン生まれの中堅。一声聞けば偉大なフィッシャー=ディースカウの伝統に連なる歌手と分かる逸材。バッハのバリトンとして大活躍している。

VKJK 2112
J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV988

メヒティルト・ヴィンター(チェンバロ)
録音:2021年5月 ドイツ ライプツィヒ ゴーリヒ、DDD、79’37
※ドイツのチェンバロ奏者、メヒティルト・ヴィンターによるゴルトベルク変奏曲。メヒティルト・ヴィンターは1969年、ライプツィヒの生まれ。生地でクリスティーネ・ショルンスハイムに学んだ後、バーゼル・スコラ・カントルムでさらに研鑽を積んだ。1992年、ライプツィヒでのバッハ・コンクールのチェンバロ部門で第3位。東西統一後のドイツで30年活躍している。演奏は堅実で派手に腕をひけらかすことなく、作品をじっくり聞かせてくれる。1624年、アントウェルペンのヨアンネス・リュッカース製作のチェンバロのレプリカ、2008年、マティアス・グリーヴィッシュ製作の楽器を使用。

VKJK 2201
「ヴルピウス:モテット集第4巻~聖歌集第2集」
ある人がエルサレムからエリコへ下って行く途中(ルカによる福音書第10章)
神よ、私の心は定まりました(詩篇108)
キリストが昇天した時
今日、聖霊降誕の日が来た
誰かが 私の主を取り去った(ヨハネによる福音書第20章,マタイによる福音書第28章)
復活のいけにえに
エルサレムよ大きな喜びで喜べ
見なさい、何という幸せ、何という喜び
イエスはナインという町に行った
イエスはエルサレムへ行く時
民よ、主に喜びの声をあげに走って来なさい
主の聖所で主を称えなさい
言葉は肉となり

ルネ・ミヒャエル・レーダー(指揮,オルガン)
カペラ・ダレミンツィア
カペラ・ヴォカーレ・ヴァルトハイム
録音:2017年8月21-26日 ドイツ ザクセン州 ヴァルトハイム、DDD、66’34
※querstandによるメルヒオール・ヴルピウス(1570頃―1615)のモテット集の第4巻。今回は1603年に出版された聖歌集 Cantiones Sacrae 第2巻から、8声、10声、12声、14声のモテットを収録している。ヴルピウスは1596年からワイマールのカントールを務めた歌手、作曲家。高名な作曲家だったが45歳ほどで亡くなり、その作品は長らくザクセンのヴァルトハイムの教会図書館に所蔵されたままだった。2002年からこれらの作品の研究が進み、それを受けてルネ・ミヒャエル・レーダー率いるカペラ・ダレミンツィアによって網羅的な録音が進んでいる。今回は多声作品が多いので演奏も充実したもの。

VKJK 2205
「子供のための歌曲」
シューベルト:子守歌 D304
ムソルグスキー:「子供部屋」―ばあやといっしょ,部屋の隅
シューベルト;子守歌 D498
ムソルグスキー:「子供部屋」―カブトムシ,人形と
ルビ:アーメンの歌
ムソルグスキー:「子供部屋」―夕べの祈り
ブラームス:子守歌 Op.49-4
ムソルグスキー:「子供部屋」―木馬に乗って,いたずら猫
チャイコフスキー:嵐の中の子守 Op.54-10
ツァイスル:子どもの歌曲集―眠りの歌
ツェムリンスキー:眠りの歌
ヴァインベルク:7つのイディッシュ語の歌 Op.13
ヴァインベルク:6つの子供の歌 Op139―子守歌
イルゼ・ウェーバー:そして雨が滴る
ヴァインベルク:私が子供を揺すって寝かせると Op.110-4
フックス:子供の死によって
イルゼ・ウェーバー:タニウツギ(ヴィーガラ)
シューベルト:私の揺りかごに D927

アンナ・グラーフ(ソプラノ)
ハン=リン・ユン(ピアノ)
録音:2022年2月21-23日、DDD、60’37
※曲名を見れば分かる通り、子守歌など子供のための歌曲を集めた面白い内容のCD。シューベルトの歌曲や、ムソルグスキーの「子供部屋」(全7曲収録)などの有名曲から、ヴァインベルクのイディッシュ語の歌、アウシュビッツ強制収容所で処刑された悲劇の詩人、イルゼ・ウェーバーの子供のための歌まで、さまざま。
アンナ・グラーフは、ロシア南西部、カフカス(コーサカス)地方のカバルダ・バルカル共和国の首都ナリチク出身。現地で学んだ後、21歳でケルンに留学。元々は合唱指揮者になるつもりだったそうだが、素晴らしく優しく温かい美声の持ち主で、歌手としての活動が主になった。まだデビューして数年だが既にドイツの地方歌劇場では人気のソプラノである。ここでの子供向けの歌曲は絶品で、若い母親が愛情いっぱいに子供に歌って聞かせているような安らぎに満ちている。ハン=リン・ユンは台湾出身のピアニスト。