①フランスのヴァイオリニスト、エリック・ラクルートの弾くフランクとフォーレのソナタ集!日本語解説付き!②フランスの長老デジレ・ンカウアのショパン:夜想曲全曲!③シャンタル・アンドラニアンによるショパン+サクル、ボルトキエヴィチの前奏曲集!/他、新譜6タイトル

POLYMNIEレーベル(フランス)

フランスのヴァイオリニスト、エリック・ラクルートの弾く
フランクとフォーレのソナタ集!日本語解説付き!
POL 212165 (日本語オビ・解説付き)
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ第1番 イ長調 Op.13
フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ第2番 ホ短調 Op.108

エリック・ラクルート(ヴァイオリン)
ジャン=バティスト・フォンリュプト(ピアノ)
録音:2021年2月25-28日 フランス オー=ド=セーヌ県 セガン島,80’31
※フランスのヴァイオリニスト、エリック・ラクルートの弾くフランクとフォーレのヴァイオリン・ソナタ。エリック・ラクルートは1976年生まれのフランスのヴァイオリニスト。パリ国立高等音楽院の上級課程を修了。2003年からパリ国立歌劇場管弦楽団(バスティーユ管弦楽団)のソロ奏者を務めている。歌劇場で演奏しているためか、ラクルートのヴァイオリンは温かみがあってよく歌い、そしてフランス近代からの伝統を色濃く残している。ジャン=バティスト・フォンリュプトのピアノもフランス的香りが豊かで、かつ作曲当時はこれらのソナタが伴奏においても非常に斬新だったことを思い出させるだけの積極性のあるもの。これら3曲をまとめたCDとしては出色の出来栄えではないだろうか。
※解説の日本語訳あり。なお二人の名前は、エリック・ラクルー、ジャン=バティスト・フォンリュープ、フォンルーなどともカナ表記されるが、ここでは日本語訳の表記に従っている。 ※80分強の超長時間収録です。再生機器の環境にご注意ください。

フランスの長老デジレ・ンカウアのショパン:夜想曲全曲!
POL 136162(2CD)
ショパン:夜想曲 全曲(全21曲)
 夜想曲 変ロ短調 Op.9-1/夜想曲 変ホ長調 Op.9-2
 夜想曲 ロ長調 Op.9-3/ 夜想曲 ヘ長調 Op.15-1
 夜想曲 嬰ヘ長調 Op.15-2/夜想曲 ト短調 Op.15-3
 夜想曲 嬰ハ短調 Op.27-1/夜想曲 変ニ長調 Op.27-2
 夜想曲 ロ長調 Op.32-1/夜想曲 変イ長調 Op.32-2
 夜想曲 ト短調 Op.37-1/夜想曲 ト長調 Op.37-2
 夜想曲 ハ短調 Op.48-1/夜想曲 嬰ヘ短調 Op.48-2
 夜想曲 ヘ短調 Op.55-1/夜想曲 変ホ長調 Op.55-2
 夜想曲 ロ長調 Op.62-1/夜想曲 ホ長調 Op.62-2
 夜想曲 ホ短調/夜想曲 嬰ハ短調/夜想曲 ハ短調

デジレ・ンカウア(ピアノ)
録音:2021年5,9月 フランス イル=ド=フランス地域圏 ムードン,110’15
※フランスの長老ピアニスト、デジレ・ンカウアの新録音。録音時87、88歳というだけでも凄いのに、なんとショパンの夜想曲全21曲を演奏している。じっくりじんわりと味わいが広がる演奏からは、夜想曲にはこういう豊かな詩情がなくてはならないのだよ、と説かれているかのよう。若き日にパリ音楽院でラザール・レヴィとマルグリット・ロンという伝説的ピアニストに学んだンカウアは、70年経って自らが生きる伝説になって、ショパンの真髄を教えてくれる。

シャンタル・アンドラニアンによるショパン+サクル、ボルトキエヴィチの前奏曲集!
POL 137161
ショパン:24の前奏曲 Op.28
 前奏曲第1番 ハ長調 Op.28-1/前奏曲第2番 イ短調 Op.28-2
 前奏曲第3番 ト長調 Op.28-3/前奏曲第4番 ホ短調 Op.28-4
 前奏曲第5番 ニ長調 Op.28-5/前奏曲第6番 ロ短調 Op.28-6
 前奏曲第7番 イ長調 Op.28-7/前奏曲第8番 嬰ヘ短調 Op.28-8
 前奏曲第9番 ホ長調 Op.28-9/前奏曲第10番 嬰ハ短調 Op.28-10
 前奏曲第11番 ロ長調 Op.28-11/前奏曲第12番 嬰ト短調 Op.28-12
 前奏曲第13番 嬰ヘ長調 Op.28-13/前奏曲第14番 変ホ短調 Op.28-14
 前奏曲第15番 変ニ長調 Op.28-15 「雨だれ」/前奏曲第16番 変ロ短調 Op.28-16
 前奏曲第17番 変イ長調 Op.28-17/前奏曲第18番 ヘ短調 Op.28-18
 前奏曲第19番 変ホ長調 Op.28-19/前奏曲第20番 ハ短調 Op.28-20
 前奏曲第21番 変ロ長調 Op.28-21/前奏曲第22番 ト短調 Op.28-22
 前奏曲第23番 ヘ長調 Op.28-23/前奏曲第24番 ニ短調 Op.28-24
ショパン:前奏曲 変イ長調 KK.IVb-7 BI.86
サクル(b.1948):24の前奏曲
ボルトキエヴィチ:10の前奏曲 Op.33から
第7番 嬰ヘ長調/第8番 変ニ長調/第5番 イ長調

シャンタル・アンドラニアン(ピアノ) 78’48
※フランスのピアニスト、シャンタル・アンドラニアンによるフレデリック・フランソワ、ギ・サクル、セルゲイ・ボルトキエヴィチの前奏曲集。ショパンは有名な24の前奏曲に遺作の変イ長調の前奏曲。アンドラニアンのショパンは、剛腕で豪快に鳴らす華やかなショパンとは一線を画した。ショパンがサロンで奏でていた時のような小世界を大切にしたもの。スケールが小さいからこその詩的な味わいが素晴らしい。ギ・サクルは1948年生まれのフランスの作曲家。24の前奏曲は1993年の作。2曲を除くと2分に満たない短い曲ばかりで、現代的感覚を持ちつつも印象派の残照も濃い。セルゲイ・ボルトキエヴィチ(1877-1952)は、ロシア帝国のハルキウ(現ウクライナのハリコフ)生まれのルーマニア系の作曲家。23歳でドイツに出て、二つの世界大戦とロシア革命に翻弄されながら、50代以降はウィーンを拠点に活動した。非常にロマンティックな作風でしかもナイーヴ。近年急速に再評価されているのも当然だろう。ここでもアンドラニアンの感性豊かな演奏が映えている。

※その他POLYMNIEレーベル新譜
POL 211164
「アンゲラン・リュール:チェロ作品集」
リュール(b.1975):
 ラプソディ LWV50/堂々とした組曲 LWV87c
 シシリエンヌとスケルツォ LWV170
 悲歌 LWV209/主題と変奏 LWV219
ブランダン(1893-1966):ロマンティックな小品

ゼバスティアン・ヴァン・カイク(チェロ)
ベルトラン・ブライヤール(チェロ)
アンゲラン=フリードリヒ・リュール=ドルゴルキー(ピアノ)
録音:2012年5月,2021年6月 フランス オーブ県 トロワ
※POLYMNIEレーベルではすっかりおなじみのピアニスト、作曲家、アンゲラン=フリードリヒ・リュール=ドルゴルキー(このCDでは作曲家としてはアンゲラン・リュール名義)のチェロとピアノのための作品集。チェロ奏者の一人に、今注目のフランスの四重奏団、ヴァン・カイク四重奏団のチェロ奏者、セバスティアン・ヴァン・カイクが参加している。彼の独奏CDは十数年ぶりのはず。ここではリュールの作品は擬バロックもしくは擬古典のものが多く、ヴァン・カイクの美音が生きている。エミール・ブランダン(1893-1966)はリュールの親戚(great-granduncle 曽祖父か曽祖母の兄弟)だという。
なお日本では四重奏団が「ヴァン・カイック四重奏団」と表記されることが多いが、van Kuijk(オランダでは珍しくない姓)はヴァン・カイクと発音する。

POL 213166
フィリドール(1726-1795):「転調の技法」(2台ピアノ演奏)
シンフォニア第1番 ト短調/シンフォニア第2番 ヘ長調/
シンフォニア第3番 ト長調/シンフォニア第4番 変ロ長調/
シンフォニア第5番 ハ長調/シンフォニア第6番 ニ長調

シャンタル・アンドラニアン(ピアノ)
ジゼル・アンドラニアン(ピアノ)
録音:2021年12月
※シャンタルとジゼルのアンドラニアン姉妹が、18世紀後半のフランス、パリの作曲家、フランソワ=アンドレ・ダニカン・フィリドール(1726―1795))の「転調の技法」を2台ピアノ用に編曲して演奏。「転調の技巧」の原曲はオーボエもしくはフルート、2つのヴァイオリンと通奏低音による四重奏曲で、各曲はシンフォニアと題された3楽章。オリジナルの録音もまだ僅かしかないところにこの2台ピアノ編曲。バロック音楽のピアノ編曲の常だが、各声部が均質に絡むので、原曲とはまた異なった構成美が楽しめる。アンドラニアン姉妹の演奏も実に見事。

POL 301163
「ドミニク・プレシェ(1954-2021):オルガンと詩」
増殖/ノクタル/柔らかい扉
夜の地/フィオレッティ

ドミニク・プレシェ(オルガン)
ヴィッキー・メシカ(語り)
イヴ・ルモワール(語り)
録音:1972年6月 フランス セーヌ=マリティーム県 フェカン,36’31
※フランスの作曲家、オルガン奏者、ドミニク・プレシェ(1954-2021)の自作自演。1972年の録音。「ノクタル」と「夜の地」は、フランスの作家、イヴ・ルモワール(1947-)の詩に朗読に付けた即興演奏。