アルゼンチン生まれのプリマドンナ、イナ・スパーニの全録音集

MARSTONレーベル(アメリカ)

アルゼンチン生まれのプリマドンナ、イナ・スパーニの全録音集
52077-2(2CD)
「イナ・スパーニ 全録音集」
(+補遺)ジャンニーナ・アランジ・ロンバルティ ヴェルディのアリア集

イナ・スパーニ(ソプラノ)
ジャンニーナ・アランジ・ロンバルディ(ソプラノ)
録音:1924~33年、ADD、161’23

「イナ・スパーニ(ソプラノ)全録音集」
●COLUMBIA GRAPHOPHONE COMPANY録音
ヴェルディ:「仮面舞踏会」~私は死にましょう/「アイーダ」~ああ 私の祖国よ
マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」
~お前がここに、サントゥッツァ/いいえ、トゥリッドゥよ
 共演:パオロ・マジーニ(テノール)
プッチーニ:「マノン・レスコー」~この柔らかなレースの中で
「トスカ」~歌に生き、愛に生き/「蝶々夫人」~ある日見るでしょう
ジョルダーノ:「アンドレア・シェニエ」~死んだ母は
 以上、1924年 イタリア ミラノ

●THE GRAMOPHONE COMPANY, LTD 1926~1931年録音
ロッシーニ:「ギヨーム・テル」~暗い森(イタリア語)
 カルロ・サバイーノ(指揮)スカラ座管弦楽団 1931年7月7日
ワーグナー:「ローエングリン」~悲しい日々に一人(イタリア語)
 管弦楽伴奏 1928年4月10日
ワーグナー:「ローエングリン」~そよ風よ、私の嘆きを聞いておくれ(イタリア語)
 カルロ・サバイーノ(指揮)スカラ座管弦楽団 1927年3月15日 イタリア ミラノ
グノー:「ファウスト」~彼は私を愛している
 カルロ・サバイーノ(指揮)スカラ座管弦楽団 1928年4月3日
ヴェルディ:「仮面舞踏会」~けれど乾いた茎から
 カルロ・サバイーノ(指揮)スカラ座管弦楽団 1927年3月11日
ヴェルディ:「トロヴァトーレ」~穏やかな夜
 カルロ・サバイーノ(指揮)スカラ座管弦楽団 1927年3月15日 ミラノ
ヴェルディ:「トロヴァトーレ」~愛は薔薇色の翼に乗って
 カルロ・サバイーノ(指揮)スカラ座管弦楽団 1928年4月10日
ヴェルディ:「オテッロ」~あなたが 追放の生活を語った時
 ジョヴァンニ・ゼナテッロ(テノール) カルロ・サバイーノ(指揮)スカラ座管弦楽団 1926年11月8日,12月3日
ヴェルディ:「オテッロ」~彼女は寂しい荒野で歌いながら泣いている(柳の歌)
 カルロ・サバイーノ(指揮)スカラ座管弦楽団 1928年4月3日
マスネ:「マノン」~さようなら、私たちの小さなテーブルよ(イタリア語)
 カルロ・サバイーノ(指揮)スカラ座管弦楽団1929年5月3日 ミラノ
レオンカヴァッロ:「道化師」~私の運命を決めてくれ/いや、あなたは私を愛していないのだ
 アポッロ・ジャンフォルテ(バリトン) カルロ・サバイーノ(指揮)スカラ座管弦楽団 1927年3月12日 ミラノ
プッチーニ:「マノン・レスコー」~この柔らかなレースの中で
 カルロ・サバイーノ(指揮)スカラ座管弦楽団 1927年3月10日
プッチーニ:「ボエーム」~あなたの愛の呼ぶ声に
 カルロ・サバイーノ(指揮)スカラ座管弦楽団 1927年3月12日 ミラノ
プッチーニ:「トスカ―「トスカ」~歌に生き、愛に生き
 カルロ・サバイーノ(指揮)スカラ座管弦楽団 1929年5月3日 ミラノ
プッチーニ:「蝶々夫人」~お前よ、小さな偶像よ
 カルロ・サバイーノ(指揮)スカラ座管弦楽団 1929年5月6日 ミラノ
カタラーニ:「ワリー」―ではここから遠くに行きましょう
 カルロ・サバイーノ(指揮)スカラ座管弦楽団 1928年4月3日
カッチーニ:アマリッリ/チャンピ:少女/A.スカルラッティ:もしフロリンドが誠実なら
 ジーノ・ナストルッチ(指揮)弦楽合奏団 1929年7月1日 ミラノ
パラディエス:あのせせらぎ/パリゾッティ(伝ペルゴレージ):もしあなたが私を愛して
 ジーノ・ナストルッチ(指揮)二重の五重奏団 1930年4月14日 ミラノ
ティリンデッリ:ああ春よ
 カルロ・サバイーノ(指揮)スカラ座管弦楽団 1931年4月14日
ブラームス:子供のための民謡集 WoO31~眠りの精(イタリア語)
 ジーノ・ナストルッチ(指揮)二重の五重奏団 1930年4月15日 ミラノ
ブラームス:昔の恋 Op.72-1(イタリア語)
 ジーノ・ナストルッチ(指揮)二重の五重奏団 1930年4月22日 ミラノ
ドヴォルザーク:ジプシーの歌 Op.55~弦の調子をあわせて/~鷹の翼はタトラの峰高く
 ジーノ・ナストルッチ(指揮)室内管弦楽団 1929年7月1日 ミラノ
グラナドス:分別あるマホ/ニン:山に住む人
 ジーノ・ナストルッチ(指揮)二重の五重奏団 1930年5月2日 ミラノ
ウガルテ:祝日/ブチャルド:馬車引きの歌
 ジーノ・ナストルッチ(指揮)二重の五重奏団 1930年4月17日 ミラノ
オブラドス:クーロ・ドゥルセの唄
 ジーノ・ナストルッチ(指揮)二重の五重奏団 1930年4月22日 ミラノ

(補遺)「ジャンニーナ・アランジ・ロンバルディの歌うヴェルディのアリア集」
ヴェルディ:「トロヴァトーレ」~恋は薔薇色の翼に載って  管弦楽団 1927年4月30日
ヴェルディ:「運命の力」~天使の中の聖処女よ  管弦楽団,合唱団 1926年3月6日
ヴェルディ:「仮面舞踏会」~私は死にましょう  管弦楽団 1933年12月7日
ヴェルディ:「第1回十字軍のロンバルディア人たち」~
―聖処女よ、私はあなたに願います/―マリア様、お救いください!/もし祈りが無駄ならば 管弦楽団 1933年12月9日
ヴェルディ:「アイーダ」~ここにラダメスが来るだろう/ああ青い空も  管弦楽団 1928年11月14,15日
※marstonの新刊は、アルゼンチン生まれのプリマドンナ、イナ・スパーニの全録音集。イナ・スパーニは1890年、アルゼンチン、ブエノスアイレス近郊のプアンの生まれ。本名はイヒニア・トゥニャン。幼くして歌の才能を発揮し、ブエノスアイレスで学んだ後、ミラノに留学。1915年にミラノのスカラ座に初出演。1920年代にはイタリア各地と南米でプリマドンナとして大活躍をした。1924年にプッチーニが亡くなった時には、ミラノでの追悼式典でスパーニはアルトゥーロ・トスカニーニの指揮で歌っている。1928年には偉大なネリー・メルバの故郷オーストラリアでの楽旅に同行している。イタリアでは1935年まで活動し、主要なプリマドンナをあらかた歌った。またイタリア人歌手とは異なり、歌曲にも積極的に取り組んだ。残念ながらロンドンを含めた英語圏であまり活躍することがなく、そのため実力に見合った国際的名声を受けられなかった。スパーニの声は中音域ではやや古めかしさも感じられるが、太く力強い声のまま輝かしい高音を鳴り響かせ、しかもそこに透明感すら感じられる、極めて優れたもの。加えて知的な表現力にも長けている。このCDを聞けば、これほどのプリマドンナがなぜ半ば埋もれてしまったのか、誰でも不思議に思うだろう。
余白に収録されているジャンニーナ・アランジ・ロンバルディ(1891-1951)は、スパーニとほぼ同世代のイタリアのソプラノ。彼女は当時のイタリアを代表するプリマドンナとして絶大な人気を誇り、SPの時代でありながらヴェルディ「アイーダ」、マスカーニ「カヴァレリア・ルスティカーナ」、ポンキエッリ「ジョコンダ」、ボーイト「メフィストーフェレ」といったオペラの全曲録音を残したほど。その力強い声はまさにヴェリズモ時代のプリマドンナの栄光そのもの。お得意のヴェルディのアリアが聞ける。なお彼女の姓はしばしばアランジ=ロンバルディ Arangi-Lombardi と繋げられて表記されるが、アランジ・ロンバルディ Arangi Lombardiが正しいという。