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東武レコーディングズ(日本)

(東武レコーディングズ)
秋山和慶80歳記念!広島交響楽団とのライヴ
ベートーヴェン交響曲全集・ブラームス交響曲全集

東武レコーディングズ(日本)

秋山和慶80歳記念!広島交響楽団とのライヴ
ベートーヴェン交響曲全集・ブラームス交響曲全集
TBRCD0113/18(6CD) ¥4,500+税
ベートーヴェン:交響曲全集、管弦楽曲集
CD1 TBRCD0113
①交響曲第1番
②交響曲第3番「英雄」
CD2 TBRCD0114
③交響曲第4番
④交響曲第7番
CD3 TBRCD0115
⑤交響曲第5番「運命」
⑥交響曲第6番「田園」
CD4 TBRCD0116
⑦交響曲第2番
⑧交響曲第8番
⑨「フィデリオ」序曲
⑩「エグモント」序曲
CD5 TBRCD0117
⑪「レオノーレ」序曲第3番
⑫交響曲第9番「合唱付」
CD6 TBRCD0118
⑬「コリオラン」序曲
  ⑭12のドイツ舞曲
⑮「プロメテウスの創造物」序曲
⑯序曲「命名祝日」
⑰「シュテファン王」序曲
⑱ウェリントンの勝利
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(東武レコーディングズ)※レコード芸術2022年2月号準特選!
2022年は新日本フィル創立50周年記念! ゲルハルト・ボッセ生誕100年記念!
伝統を現代に!ベートーヴェン交響曲全集!

東武レコーディングズ(日本)

※レコード芸術2022年2月号準特選!
2022年は新日本フィル創立50周年記念!
ゲルハルト・ボッセ生誕100年記念!
伝統を現代に!ベートーヴェン交響曲全集!
TBRCD0128/32(5CD) \4,950(\4,500+税)
ベートーヴェン:交響曲全集
CD1 TBRCD0128
①交響曲第2番 ニ長調 作品36
②交響曲第1番 ハ長調 作品21
③《プロメテウスの創造物》作品43序曲
④ボッセによる解説(通訳:菅野美智子)
CD2 TBRCD0129
⑤交響曲第3番 変ホ長調 作品55《英雄》
⑥交響曲第8番 ヘ長調 作品93
CD3 TBRCD0130
⑦交響曲第5番 ハ短調 作品67《運命》
⑧交響曲第7番 イ長調 作品92
CD4 TBRCD0131
⑨交響曲第4番 変ロ長調 作品60
⑩交響曲第6番 ヘ長調 作品68《田園》
CD5 TBRCD0132
⑪七重奏曲 変ホ長調 作品20より第1、3、4楽章
⑫交響曲第9番 ニ短調 作品125《合唱付き》

ゲルハルト・ボッセ(指揮)
新日本フィルハーモニー交響楽団
⑪崔 文洙(Vn)、篠﨑友美(Va)、服部 誠(Vc)、中田延亮(Cb)
 山本正治(Cl)、坪井隆明(Fg)、吉永雅人(Hr)
⑫釜洞祐子(S)、寺谷千枝子(MS)、櫻田 亮(T)、藤村匡人(Br)
 晋友会合唱団(清水敬一指揮)
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令和三年度(第76回)文化庁芸術祭参加作品
(東武レコーディングズ)
近衞秀麿がNBC交響楽団を指揮していた!
新書版100ページ、菅野冬樹書下ろしのドキュメンタリー付
日出る国へ〝新世界〟より ~昭和十二年の日米同時生放送
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」 近衞秀麿(指揮)NBC交響楽団

東武レコーディングズ(日本)

近衞秀麿がNBC交響楽団を指揮していた!
新書版100ページ、菅野冬樹書下ろしのドキュメンタリー付
令和三年度(第76回)文化庁芸術祭参加作品
日出る国へ〝新世界〟より ~昭和十二年の日米同時生放送
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
近衞秀麿(指揮)NBC交響楽団
TBRCD 0112 定価:¥2,700+税(トールケース仕様)
「日出る国へ〝新世界〟より ~昭和十二年の日米同時生放送」
①ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
②ヨハン・シュトラウス(近衞編):喜歌劇「こうもり」組曲
[演奏タイミング] ①[9:20][12:03][8:06][11:42] ②[6:39] 
※菅野冬樹書下ろし・新書版100ページ・ドキュメンタリー付き

近衞秀麿(指揮)NBC交響楽団
録音:①1937年2月16日、②1937年2月14日,NBC8Hスタジオ
音源提供:アメリカ議会図書館 (Library of Congress)
協力:近衞音楽研究所
ウィスコンシン歴史協会 (Wisconsin Historical Society)
NBCユニヴァーサルLLC、Donald Meyer (Lake Forest college)
※令和三年度(第76回)文化庁芸術祭参加作品

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(東武レコーディングズ)
またもや快挙!世界初ピアノ連弾による
ベートーヴェン:交響曲全集~ 全てシャルヴェンカ編4手ピアノ連弾版
ピアノデュオ・アナスタシア&リウボフ

東武レコーディングズ(日本)

またもや快挙!世界初ピアノ連弾による
ベートーヴェン:交響曲全集(4手ピアノ連弾)全てシャルヴェンカ編!
ピアノデュオ・アナスタシア&リウボフ(4手ピアノ)
TBRCD 0123/27(5CD)特別定価:¥3,500+税
「ベートーヴェン:交響曲全集」
~シャルヴェンカによる四手ピアノ連弾編曲版
CD1
交響曲第1番ハ長調 Op.21 [7:08][6:29][3:23][4:19]
交響曲第3番変ホ長調Op.55「英雄」 [14:19][14:39][5:56][11:49]
CD2
交響曲第2番ニ長調 作品36 [10:16][11:36][3:24][6:52]
交響曲第5番ハ短調「運命」Op.67 [5:39][9:54][5:34][10:06]
CD3
交響曲第4番変ロ長調Op.60 [8:56][9:52][5:29][5:19]
交響曲第7番イ長調Op.92 [13:28][9:05][5:09][8:00]
CD4
交響曲第6番ヘ長調Op.68「田園」 [9:46][11:49][5:27][3:47][9:37]
交響曲第8番ヘ長調Op.93 [7:44][4:17][4:52][9:59]
CD5
交響曲第9番ニ短調Op.125「合唱」 [14:42][12:55][14:17][24:32]

ピアノデュオ・アナスタシア&リウボフ(4手ピアノ)
【アナスタシア・グロモグラソヴァ、リウボフ・グロモグラソヴァ】
録音:2021年8月フォンダチオーネ・パオロ・グラッシ(イタリア、マルティナ・フランカ)に於けるデジタル・スタジオ
エンジニア:コジモ・ガロッパ/ピアノ:スタインウェイ
※昨年世界初のピアノ連弾によるチャイコフスキー:交響曲全集でセンセーションを巻き起こした〝ピアノデュオ、アナスタシア・リウボフ”の最新作。世界初の「ピアノ連弾によるベートーヴェン:交響曲全集」です。今回も「リモート・プロデュース、レコーディングシステム」でイタリア、マルティナ・フランカでスタジオ録音を成し遂げました。企画自体はかなり以前から決まっていたもののコロナ禍故に録音がままならず、この夏に一気に完了しました。曇りのないあらゆる角度から光を当てたような編曲で、ベートーヴェンのミニマリスト振りがはっきりします。そして緩余楽章の悲劇性や叙情性が強調されピアノ音楽としての楽しみもたっぷり。
編曲者フランツ・クサヴァー・シャルヴェンカ(1850-1924)は、ポーランド出身、ドイツで学び名を馳せたピアニスト、作曲家、編曲家。再評価も高まってきており、ピアノ音楽を愛好する方はご存じの超ロマンティックなピアノ協奏曲を4曲も書いております。かのマーラーも一目を置く存在で自らソリストとして協奏曲第1番を演奏。ニューヨークでは作曲家のソロでピアノ協奏曲第4番の伴奏を務めているほどです。それ故にこの編曲達もどこかにロマンティックに傾斜した風情(敢えて言うならショパンチックな)もあり、物思いにふける秋の夜長に相応しい音楽です。
録音はチャイコフスキー同様、名手コジモ・ガロッパが担当。ピアノはスタインウェイ。

東武レコーディングズ・カタログ

(東武レコーディングズ)
クレンペラーV.S.フィラデルフィア1962年ステレオ・ライヴ!!
ヘビープログラム「田園」+「英雄」UHQCD2枚組1枚価格!

東武レコーディングズ(日本)

クレンペラーV.S.フィラデルフィア1962年ステレオ・ライヴ!!
ヘビープログラム「田園」+「英雄」 UHQCD2枚組1枚価格!
TBRQ 9006/07(UHQCD 2枚組1枚価格)定価:¥2,700+税
①ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」
②ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
*ダグ・ハマーショルドの思い出に捧ぐ
[演奏タイミング]
①[14:03][13:53][7:00][3:46][9:34]
②[16:28][16:26][6:45][13:06]

オットー・クレンペラー(指揮)
フィラデルフィア管弦楽団
録音:1962年10月19日アカデミー・オヴ・ミュージック,ライヴ録音(ステレオ)
※良好なステレオ録音でリリースのクレンペラー+フィラデルフィアの正規盤シリーズ。 既出はこちら
肝心のオール・ベートーヴェン・プログラムについては、オーケストラ・アーカイヴの音源に難があり、商品化が見送られておりました。本年ついに良好な音源をペンシルバニア大学にて発見!これで3プログラムが全て揃いました。クレンペラーはそもそもストコフスキーの後任と目されていたのにそれが破談となったためにオーマンディとは深い確執がありました。1935年の登壇後27年振りのフィラデルフィア客演が決まった際には新聞でも大きく取り上げられ大ニュースとなりました。
ヴァイオリンは、左右両翼。低弦左サイドの古典型オーケストラ配置。強烈な遅いテンポで繰り広げられるシリアスなベートーヴェン。超デッドなホール故に輪郭がはっきりし、緊張感の途切れがありません。オーケストラの個性が強く、金管の華やかさや木管の巧さは特筆もの。巨匠はこの時一か月以上アメリカに滞在し、フィラデルフィアのみならず、ニューヨーク、ワシントンDC、ボルティモアへも巡演しました。そしてこれが最後のアメリカ訪問となりました。「英雄」はこの前年に飛行機墜落で命を落とした国連事務総長ダグ・ハマーショルドに捧げられております。万感胸に迫る名演です。

東武レコーディングズ・カタログ

(東武レコーディングズ)
初出からほぼ50年やっと正規盤の登場! トスカニーニ・メモリアル・コンサート1957
「75年に及ぶ彼の音楽生活は偶像であり、他の演奏家にとっては脅威でもあった。」~ブルーノ・ワルター
ワルター、ミュンシュ、モントゥー三大巨匠の共演
ニューヨーク・パブリック・ライブラリーのマスターテープから初の復刻 UHQCD2枚組1枚価格!

東武レコーディングズ(日本)

初出からほぼ50年やっと正規盤の登場!
トスカニーニ・メモリアル・コンサート1957
「75年に及ぶ彼の音楽生活は偶像であり、他の演奏家にとっては脅威でもあった。」~ブルーノ・ワルター
ワルター、ミュンシュ、モントゥー三大巨匠の共演
ニューヨーク・パブリック・ライブラリーのマスターテープから初の復刻
UHQCD2枚組1枚価格!
TBRQ 9004/05(UHQCD 2枚組1枚価格)定価:¥2,700+税
「トスカニーニ・メモリアル・コンサート」
①ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
[15:05][15:47][5:46][11:38]
②ドビュッシー:交響詩「海」
[9:06][6:32][8:02]
③エルガー:エニグマ変奏曲
Theme (Andante)[1’08”]
Variation I. L’istesso tempo “C.A.E.”[1’39”]
Variation II. Allegro “H.D.S-P.”[0’45”]
Variation III. Allegretto “R.B.T.”[1’16”]
Variation IV. Allegro di molto “W.M.B.”[0’26”]
Variation V. Moderato “R.P.A.”[1’47”]
Variation VI. Andantino “Ysobel”[1’17”]
Variation VII. Presto “Troyte”[0’56”]
Variation VIII. Allegretto “W.N.”[1’38”]
Variation IX. Adagio “Nimrod”[3’39”]
Variation X. Intermezzo: Allegretto “Dorabella”[2’33”]
Variation XI. Allegro di molto “G.R.S.”[0’54”]
Variation XII. Andante “B.G.N.”[2’09”]
Variation XIII. Romanza: Moderato “* * *”[2’29”]
Variation XIV. Finale: Allegro Presto “E.D.U.”[4’36”]
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(東武レコーディングズ)
真正ドイツ音楽の継承者が日本にいた!
マエストロ浮ケ谷孝夫(指揮)東京21世紀管弦楽団
満を持してのブルックナー「ロマンティック」2021年4月の最新ライヴ!UHQCDで発売!

東武レコーディングズ(日本)

真正ドイツ音楽の継承者が日本にいた!
マエストロ浮ケ谷孝夫(指揮)東京21世紀管弦楽団
2021年4月の最新ライヴ!
満を持してのブルックナー「ロマンティック」UHQCDで発売!
TBRQ 9003(UHQCD)定価:¥2,700+税
ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」
(演奏タイミング [17:59][14:36][10:56][20:09])

浮ケ谷孝夫(指揮)
東京21世紀管弦楽団
録音:2021年4月9日東京芸術劇場(ライヴ)
マスタリング:ベルンハルト・ハンケ(musikproduktion-hanke)
※ドイツに浮ケ谷あり!と人に知られたマエストロ浮ケ谷。今やドイツでも見掛けなくなったドイツ的修業で叩き上げた真の巨匠です。今までは珍曲秘曲の録音が多いきらいがありましたが、満を持して登場するのが最新ライヴ録音であるこの「ロマンティック」です。東京21世紀管弦楽団はメンバー表をみればビックリの名手揃いのオーケストラ。流行におもねらない、衒いのない率直で深々とした風情にあふれる大自然が鳴り出すようなブルックナー讃歌。
マスタリングはマエストロの友人であり理解者であるベルンハルト・ハンケ(https://www.musikproduktion-hanke.de/)が担当。見事のゲルマン・サウンドが屹立します。マエストロ浮ケ谷自らのメッセージ、そしてブルックナー愛に満ちた平林直哉先生の解説も読みごたえ満点です。
(さらに…)

(東武レコーディングズ)
今度は2台ピアノによるブルックナー!!
しかもウィリアム・キャラガン編曲+演奏!!
第4番「ロマンティック」第1稿とシャルク編連弾版に基づく第8番

東武レコーディングズ(日本)

今度は2台ピアノによるブルックナー!!
しかもウィリアム・キャラガン編曲+演奏!!
第4番第1稿とシャルク編連弾版に基づく第8番
TBRCD 0110/11(2CD) 特別価格¥2,300+税
ブルックナー:
①交響曲第4番「ロマンティック」(1874年第一稿)
(ウィリアム・キャラガンによる2台ピアノ編曲版)

演奏タイム:[18:23][21:40][5:24][18:11]
②交響曲第8番ハ短調
(ヨゼフ・シャルクによる4手ピアノ版/
 ウィリアム・キャラガンによる2台ピアノ編曲版)

演奏タイム:[13:14][21:01][13:47][20:23]

ウィリアム・キャラガン&クロフォード・ホヴィ(ピアノ)
録音:
①2011年4月13日ハートフォード・カレッジ・チャペル、ロンドン
②2009年4月18日オックスフォード大学、ロンドン (さらに…)

特別寄稿(伊熊よし子)
※ベートーヴェン:交響曲全集 マゼール(指揮)トスカニーニ交響楽団
みんなが聴き慣れた作品に新たな血を通わせる、それが私の信条です――ロリン・マゼール

みんなが聴き慣れた作品に新たな血を通わせる、それが私の信条です――ロリン・マゼール

「鬼才」と称された指揮者、ロリン・マゼールが2014年7月13日、肺炎およびその合併症により亡くなった、享年84。マエストロ・マゼールには何度かインタビューを行い、演奏も聴き続けてきた。彼は記憶力がハンパではなく、一度会った人の顔も話の内容もけっして忘れることはなかった。

マゼールはいつ会ってもエネルギッシュで、雄弁で、前向きな姿勢を崩さなかった。カラヤン亡きあと、ベルリン・フィルの音楽監督候補の最右翼といわれたが、その地位をアバドにさらわれるや、「もう2度とベルリン・フィルの指揮台には立たない」と爆弾発言をしたことは有名だ。ウィーン国立歌劇場の総監督を辞すときも、フランス国立管弦楽団の音楽監督をやめるときも、常に物議をかもしてきたマゼールだが、1988年からは故郷のピッツバーグに戻り、同交響楽団の音楽監督に就任してこのオーケストラをより向上させることに力を注いできた。そして1993年、いよいよドイツ・オーケストラ界のもう一方の雄、バイエルン放送交響楽団の首席指揮者に就任することになる(2002年まで)。
バイエルン放送交響楽団は1949年に創設され、リヒャルト・シュトラウスの指揮によって幕開けした歴史と伝統を誇るオーケストラ。ドイツ音楽をレパートリーの中心に据え、重厚で豊かな響きをもつドイツ音楽の王道を行く演奏を聴かせる。そのバイエルン放響とは1993年4月に来日し、複数の日本公演を行った。これはその後5回、1年から1年半おきにわたってわが国で定期的に行うコンサート・シリーズの第1回目にあたり、マゼールは緊迫感あふれる熱い響きを導き出した。

「バイエルン放響はドイツのエリート・オーケストラです。私のディレクションによるシリーズの第1回にはぜひともドイツ音楽をもってきたかった。それも水準の高い演奏をね。このオーケストラで聴くドイツ音楽だったら文句ないでしょう。磨き抜かれた響きと、からだのなかに染み込んでいるドイツの伝統が音となって出てきますから」
マゼールはひとつのテーマに基づいてプログラムを決めるのが好きなようだ。来日公演でも自然や風景描写や物語性のある作品を主軸にしたテーマでプログラムを組んでいる。

「本当は音楽家というのは演奏する場所、時間、その場の空気などから霊感を得て演奏するのが一番いいのだが、現在なかなかそうはいかない。インドの伝統音楽などはいまでもその方法を忠実に守っているけど…。昔はアンコールを100曲くらい書いた紙を聴衆に配って、”ところでみなさんはどんな曲が聴きたいのかな?“と声をかけ、2時間くらいアンコールをしたなんていうことがあったらしいけど、そういうのいいよね、理想だな」
こう語るマゼールは、録音よりもナマの演奏会で燃える指揮者だ。瞬間の表情が著しく変わり、音楽は異様なまでの高揚感を見せ、ありったけの情熱をステージにぶつける。他に類を見ないほどの記憶力のよさ(どんな曲でも全暗譜)と、緻密な解釈、オーケストラをタクト1本で自在に操る偉大な才能を持ち合わせている。それゆえ、さぞクールな素顔の持ち主かと思いきや、インタビューでは非常にフランクで饒舌である。

「私はドイツ&オーストリア音楽をこよなく愛しています。私の背骨のようなレパートリーといっても過言ではありません。指揮者として活動を始めたときからこうした作品を演奏し、特にベートーヴェンの交響曲はバイブルのような存在です。みんなが聴き慣れた作品に新たな血を通わせる、それが私の信条です。それをオーケストラのひとりひとりに理解してもらい、高みを目指してベートーヴェンの神髄に近づく。それこそが目標であり、夢でもあるのです」
マゼールのドイツ&オーストリア音楽は神秘的な美しさを弦と管から引き出し、オーケストラのアンサンブルの見事さ、機能美を十分に発揮させる。ヴィオラやチェロのピッツィカートは鋭く、金管も咆哮する。しかし、それがけっして強い響きではなく、あくまでもやわらかな、森の奥から聴こえてくるような深さをもっている。自然賛歌の美しい旋律などはオーケストラの名人芸を十分に考慮しながら、一幅の絵画のように鮮やかに描き出すため、聴き終わった後に熱い感動が心に残る。

ここに聴くトスカニーニ交響楽団(トスカニーニ・フィル)とのベートーヴェンは、まさにその感覚が体現できる演奏。いずれの作品もこれまで聴いた演奏とは一線を画し、刺激的で激情的で、しかも柔軟性に富む。「ここにこんなフレーズが隠れていたのか」「この金管の音は新たな発見だ」「弦のやわらかさはまるでオペラのアリアのよう」「緊密なアンサンブルなのに、どこか自由闊達で天空に飛翔していくよう」など、目からウロコの発見が山ほど。同じ交響曲を何度も聴きたくなる魔術的な魅力を秘めている。マゼールは新しいオーケストラとコンビを組むときは、そのメンバーの資質をじっくり考慮し、いかにしたら可能性を引き出せるか、眠っている才能を開花させることができるかを考えたという。トスカニーニ交響楽団との対峙もそれを念頭に、彼らの潜在能力を見抜き、みんなが嬉々として演奏できるよう仕向けていった。それが全面的にこのベートーヴェンに結実している。

マゼールは会って話を聞くと、からだの内側からふつふつとエネルギーが湧いてくるような、そんな印象をもたらす人だった。音楽も同様に、聴き込むほどに熱量が増してくる。これが「マゼールの力」であり、ベートーヴェンに対する熱く深い思いである。その気概を9曲から受け取りたい。

伊熊よし子

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TBRCD 0103/07(5CD)特別定価:¥3,500+税
「ベートーヴェン:交響曲全集」
ロリン・マゼール(指揮)トスカニーニ・フィル
(以下第9のみ)
マリア・ルイジア・ボルシ(ソプラノ)
エレーナ・ジドコヴァ(メゾ・ソプラノ)

マリウス・ブレンチウ(テノール)
ラファエル・シヴェク(バス)

フランチェスコ・チレア合唱団(ブルーノ・ティロッタ指揮)
2008年8月20~23日タオルミーナ、ギリシャ劇場(シチリア州)におけるライヴ・デジタル録音

(マゼールのベートーヴェン:交響曲全集 プロモ映像)

(東武レコーディングズ)
真打登場!今年もベートーヴェン・イヤー!
マゼール+トスカニーニ・フィルの ベートーヴェン:交響曲全集2008ライヴ!
超特価!5枚組で¥3,500+税!

東武レコーディングズ(日本)

真打登場!今年もベートーヴェン・イヤー!
マゼール+トスカニーニ・フィル
ベートーヴェン:交響曲全集2008ライヴ!
超特価!5枚組で¥3,500+税!
TBRCD 0103/07(5CD)特別定価:¥3,500+税
「ベートーヴェン:交響曲全集」
交響曲第1番 [8:42][6:57][3:10][3:34]
交響曲第3番「英雄」 [14:08][15:27][5:46][12:16]
録音:2008年8月19日
交響曲第2番 [10:14][11:48][3:23][6:06]
交響曲第5番「運命」 [7:05][10:46][4:50][8:20]
録音:2008年8月20日
交響曲第4番 [9:28][9:42][5:49][6:42]
交響曲第6番「田園」 [11:36][12:47][5:03][3:47][10:43]
録音:2008年8月21日
交響曲第7番 [11:49][8:18][7:06][6:18]
交響曲第8番 [9:57][3:32][4:46][7:29]
録音:2008年8月22日
交響曲第9番「合唱」 [15:23][9:30][13:59][23:31]
録音:2008年8月23日
(さらに…)