MERIDIANレーベル(イギリス)
ピリオド楽器によるブラームス!
ヴィオラ・ソナタとヴィオラ版「雨の歌」
CDE 84666
ヨハネス・ブラームス(1833-1897):
ヴィオラ・ソナタ第2番変ホ長調Op.120-.2
ヴィオラ・ソナタ第1番へ短調Op.120-1
ヴァイオリン・ソナタ第1番「雨の歌」Op.78(リーブル/フォーゲル編によるヴィオラ版)
ドロテア・フォーゲル(ヴィオラ)
ジョン・スウェイツ(ピアノ)
※ピリオド楽器使用
録音:2021年12月20-22日王立バーミンガム音楽院ブラッドショウ・ホール[68:16]
※ヴィオラ・ソナタと銘打たれているが、収録の作品番号120のふたつのソナタはもとがクラリネット・ソナタであり、ヴィオラでもしばしば演奏される曲目。また作品番号78は原曲が「雨の歌」のニックネームで知られるヴァイオリン・ソナタ第1番でここではヴィオラ版で演奏されている。ピアノはブラームス在世時の1872年製ベーゼンドルファーを使用、今日のピアノとは異なる独特の響きが物憂げなヴィオラの響きと相まってブラームスの生の声を聴くような不思議な感覚に陥る。ヴィオラのドロテア・フォーゲルはスイス出身。マーラー・ユーゲント・オーケストラで首席を務めた後、現在はソロ、室内楽奏者として活躍している才媛。
※その他MERIDIANレーベル新譜
CDE 84663
ヴィルトゥオーゾ・ダブル・ベースVol.3
~ジョヴァンニ・ボッテジーニ(1821-1889)作品集
①「清教徒」幻想曲
②アレグロ・ディ・コンチェルト「メンデルスゾーン風に」
③アレグレット・カプリチオ
④「ヴェニスの謝肉祭」の主題による序奏と変奏曲
⑤ボレロ
レオン・ボッシュ(コントラバス)
レベカ・オモルディア(ピアノ)
録音:2021年8月5-7日ボートン、モンチェルシー、聖ペータース教会[49:00]
※ダブル・ベース奏者レオン・ボッシュのアルバム「ヴィルトゥオーゾ・ダブル・ベース」シリーズ第3弾。因みにボッシュはこのシリーズ以外にも当Meridianレーベルに数多くのアルバムがあり、いずれも珍しい作曲家の作品を録音している。今回のシリーズは一貫して19世紀前半から後半にかけて活躍したダブル・ベース奏者で作曲家のジョヴァンニ・ボッテジーニの作品を取り上げている。ボッテジーニは生前「ダブル・ベースのパガニーニ」と言われるほどの超絶技巧を持った名手と謳われ、19世紀の他の作曲家同様、当時ヒットしたオペラ・アリアに基づいた技巧的な作品を多数残した。ダブル・ベースは単なるオーケストラの縁の下の力持ち、という固定観念を覆すイタリア人作曲家らしい歌心に溢れた粋な小品がテンコ盛り。
CDE 84665
ジョナサン・ラザフォード(b.1953)作品集
①気だるい午後(1967)
②セレブレーション弦楽四重奏曲(2015)
③オーボエ四重奏曲(1999)
④チェロ・ソナタ「ヘレン・キリックのために」(2018)
⑤リルケ弦楽四重奏曲(1995)
マッジーニ弦楽四重奏団:
【ジュリアン・リーパー(ヴァイオリン)
チアラン・マッケイブ(ヴァイオリン)
マーティン・ウートラム(ヴィオラ)
ミハウ・カズノフスキ(チェロ)】
③ニコラス・ダニエル(オーボエ)
①④ジョナサン・ラザフォード(ピアノ)
録音:2021年12月10-12日、サフォーク、ポトン・ホール・スタジオ [65:00]
※ジョナサン・ラザフォードはイギリス、サリー州出身の作曲家。作曲をナディア・ブーランジェ、ピーター・マックスウェル・デイヴィス、ハリソン・バートウィッスルに学んだが、彼の音楽はいわゆる現代音楽の方向には進まず、調性を堅持した新ロマン主義ないし新古典主義的な傾向を示している。弱冠14歳で作曲したチェロとピアノのためのロマンティックな小品「気だるい午後」に始まり、2つの弦楽四重奏曲ほかラザフォードのロマンティックな音楽を手際よくまとめた一枚。
CDE 84667
「2ヴィオラ・ナウ!」
①デボラ・プリッチャード:「ザ・ハート」(2022)
②エドウィン・ロックスバーグ:3人の為のソナタ(2019)
③サイモン・ローランド=ジョーンズ:2つのヴィオラのための組曲(2021)
④ジョン・アレクサンダー:淡いブルーの点(2020)
ピーター・マリンソン(ヴィオラ)
マティアス・ウィースナー(ヴィオラ)
②④エフゲニア・スタルセヴァ(ピアノ)
録音:2022年4月28-29日、6月16-17日ボートン、モンチェルシー聖ペータース教会 [71:00]
※マリンソンとウィースナーによる2つのヴィオラのための作品集第3弾。収録されている作品はいずれも最近の作品だが前衛音楽色はなく、ヒンデミットやバルトーク、ブロッホを思わせる民族的な近現代音楽といった趣き。ヴィオラのマリンソンはBBC響のメンバーを務めながら同時代の作曲家の作品を積極的に取り上げている。もう一人のヴィオラ奏者ウィースナーもBBC響の団員を務めつつ、室内楽、ソロ活動にも精力的に取り組む俊英。