299MUSICレーベル(日本)
※レコード芸術2021年5月号特選!
楽壇生活35年を迎える中野振一郎が物語る
フランソワ・クープランの成し遂げた偉業の真価
フランソワ・クープラン:クラヴサン曲全集1/中野振一郎
NIKU-9032,33(2CD)定価:3,000 円+税
フランソワ・クープラン(1688-1733) クラヴサン曲全集1/中野振一郎
DISC-1
(1-4)クラヴサン曲集第1巻 第4オルドル ヘ調 (1713)
(1)灰色服部隊の行進(重々しく、遅くなく) [02’45”]
(2)バッカス祭:バッカスの陽気な騒ぎ-バッカスの甘い言葉-バッカスの怒り [07’51”]
(3) パトリーヌ(優美に) [05’14”]
(4)目覚まし時計(軽やかに) [03’32”]
(5) クラヴサン奏法/前奏曲第7番 変ロ長調(1716) [02’19”]
(6-13)クラヴサン曲集第2巻 第6オルドル 変ロ長調(1717)
(6)刈り入れをする人々(陽気に) [02’20”]
(7)優しい恋煩い [04’12”]
(8)さえずり(優美に、流れるように) [01’ 50”]
(9)ベルサン(軽やかに) [02’40”]
(10)神秘のバリケード(生き生きと) [02’22”]
(11)田園詩/ロンドー(素朴に) [04’50”]
(12)おしゃべり(生き生きと) [02’00”]
(13)羽虫(軽やかに) [02’03”]
(14)クラヴサン奏法/前奏曲第3番 ト短調(1716) [00’54”]
(15-19)クラヴサン曲集第2巻 第7オルドル ト調(1717)
(15)メヌトゥ(優美に、遅くなく) [03’31”]
(16)子供時代:ミューズの誕生-幼年期-思春期-悦楽 [10’16”]
(17)バスク風 [02’28”]/(18)シャゼ(極めてなだらかに、遅くなく)[04’36”]
(19)気晴らし(遅くなく) [04’07”]
DISC-2
(1-5)クラヴサン曲集第3巻 第17オルドル ホ短調 (1722)
(1)高慢またはフォルクレ(威張って、遅くなく) [04’29”]
(2)小さな風車(極めて軽やかに) [01’58”]
(3)鐘 [03’33”]
(4)クラント [02’14”]
(5)バニョレの乳搾りの少女たち(軽やかに、流れるように) [02’02”]
(6)クラヴサン奏法/前奏曲第4番 ヘ長調(1716) [01’31”]
(7-13)クラヴサン曲集第3巻 第18オルドル ヘ調(1722)
(7)ヴェルヌイユ/アルマンド [03’38”]
(8)ヴェルヌイエット(軽やかに、快く) [01’23”]
(9)修道女モニク(優雅に、遅くなく) [03’48”]
(10)騒々しさ(極めて速く) [01’45”]
(11)感動(痛ましく) [02’58”]
(12)ティク・トク・ショクあるいはマイヨタン(軽やかに、明確に) [02’27”]
(13)びっこのガイヤール(ふざけた風情で) [03’00”]
(14)クラヴサン奏法/前奏曲第8番 ホ短調 (1716) [01’20”]
(15-19)クラヴサン曲集第4巻 第21オルドル ホ短調(1730)
(15)ハートの女王(ゆっくりと、極めて優雅に) [03’12”]
(16)鼓動(陽気に) [01’45”]
(17)クープラン(節度ある快活さで) [03’51”]
(18)喧嘩、ハープ風の曲 [03’26”]
(19)棘のある言葉(情愛をこめて、遅くなく) [02’23”]
(20-24)クラヴサン曲集第4巻 第25オルドル 変ホ長調–ハ長調–ハ短調(1730)
(20)妄想(荘重に、明確に/速く) [03’34”]
(21)神秘(節度をもって) [04’15”]
(22)モンフランベール(優雅に、遅くなく) [02’20”]
(23)勝ち誇るミューズ(大胆に) [02’35”]
(24)さまよう亡霊(物憂げに) [04’47”]
中野振一郎(チェンバロ)
録音:2020年7月13-16日、9月7-8日 岐阜・サラマンカホール
DXD 24bit/352.8kHz RECORDING、[70’15”] [68’44”]
※クラヴサン曲集:第4・6・7・17・18・21・25オルドル/クラヴサン奏法:前奏曲 第3・4・7・8番
ロココの戯れ、フランス的甘さ、そして謎めいたムードなど、ユニークかつ多様な作品群の情緒あふれる世界を、その流麗で円熟味をました表現と時折垣間見える遊び心で深みと新鮮さを与え展開する。楽壇生活35年を迎える中野振一郎が物語る、フランソワ・クープランの成し遂げた偉業の真価。
中野振一郎(チェンバロ) Shin’ichiro Nakano, clavecin
1964年京都生まれ。
1986年桐朋学園大学音楽学部演奏学科(古楽器専攻)卒業。
1990年4夜連続独奏会『ヨーロッパ・チェンバロ音楽の旅』により「大阪文化祭金賞」受賞。
1991年フランス『ヴェルサイユ古楽フェスティバル』のクープラン・サイクルに出演。欧米を代表する名手と肩を並べ「世界の9人のチェンバリスト」の一人に選ばれる。1992年『バークレー古楽フェスティバル』へ最年少の独奏家として招かれる。その後も、イギリス(ウィグモア・ホール、BBCジャパン・シーズン)、ドイツ(ライプツィヒ・バッハ・フェスティバル)、チェコ等、欧州での招聘演奏旅行を続ける。「例外のチェンバリスト!」「耳の御馳走」等、各地で好評を博す。
また、国内で長年続けていたバッハの〈ゴルトベルク変奏曲〉の演奏には今でも定評がある。「各変奏が持つ世界を可能な限り忠実に描出しようとする真摯な姿勢には心を打たれる」「先人たちの遺産を鑑み、大地をしっかり踏まえた中野の解釈の方が説得力が大きい」「この基本的な解釈にさらなる年輪が刻まれるのを見守っていきたい」と絶賛される。
2000年CD《ゴルトベルク変奏曲》で「第38回レコード・アカデミー賞」受賞。2003年「第22回京都府文化賞」、2004年「文化庁芸術祭・大賞」、2009年《女王の祭壇 ~パーセル作品集》で第47回レコード・アカデミー賞受賞。
2010年日本語による初のチェンバロ教則本『チェンバロをひこう~憧れの楽器をはじめるための名曲集』(音楽之友社)を出版。
そして2020年7月からは、《フランソワ・クープラン全集》のCD収録(長期企画)を、岐阜県のサラマンカホールにて開始。
幅広いレパートリーと楽しいトークによるレクチャー・リサイタルも日本各地で高い人気を呼んでいる。現在、京都市立芸術大学、名古屋音楽大学、大阪音楽大学等で後進の指導にも励んでいる。
使用楽器:アトリエ フォン・ナーゲル社1988年製 フレンチ2段チェンバロ(ブランシェ 1730)
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レコード芸術2021年5月号準特選!
呼応する2人の澄み切った表現と躍動する色彩
ドビュッシー:ピアノ・デュオ作品集/藤原亜美&長尾洋史
NIKU-9034,35(2CD)定価:3,000 円+税
ドビュッシー ピアノ・デュオ作品集/藤原亜美&長尾洋史(ピアノ)
Disc-1 (4手ピアノのための)
(1-4)小組曲 Petite suite (1888-1889)
I. 小舟にて [03’40”]
II. 行列 [03’24”]
III. メヌエット [02’59”]
IV. バレエ [03’10”]
(5)民謡の主題によるスコットランド行進曲(1891) [06’11”]
(6-11)6つの古代のエピグラフ (1914)
I. 夏の風の神、パンに祈るために [02’18”]
II. 無名の墓のために [03’20”]
III. 夜が幸いであるために [02’06”]
IV. カスタネットを持つ舞姫のために [02’17”]
V. エジプト女のために [02’42”]
VI. 朝の雨に感謝するために [02’03”]
(12-18)おもちゃ箱(1919) [Transcription:Tomohiro Tawada] (訳/青柳いづみこ)
語り [02’06”]
前奏曲:おもちゃ箱の眠り [02’46”]
第1場:おもちゃ屋 [11’09”]
第2場:戦場 [09’35”]
第3場:売りに出た羊小屋 [06’04”]
第4場:財産ができてから [01’55”]
エピローグ [01’26”]
Disc-2 (2台のピアノのための)
(1)牧神の午後への前奏曲(1892-1894) [08’35”]
(2)リンダラハ(1901) [05’04”]
(3-4)神聖な舞曲と世俗的な舞曲(1904)
I. 神聖な舞曲 [04’48”]
II. 世俗的な舞曲 [04’48”]
(5-7)海 (1905) [Transcription:André Caplet]
I. 海上の夜明けから真昼まで [08’03”] II. 波の戯れ [07’07”]
III. 風と海との対話 [07’46”]
(8-10)白と黒で (1915)
I. Avec emportement [04’29”]
II. Lent. Sombre [06’45”]
III. Scherzando [04’23”]
藤原亜美&長尾洋史(ピアノ)
(Disc1、12-18)たきいみき(語り)
録音:2020年3月17-19日 彩の国さいたま芸術劇場「音楽ホール」
[69’37”] [62’16”]
※呼応する2人の澄み切った表現と躍動する色彩。
フランスで研鑽を積み、現在はソロや室内楽を中心に様々な分野で活躍する実力派ピアニストの藤原亜美と長尾洋史が、ドビュッシーが極限まで彫琢した燦然と輝くピアノ・デュオ作品の在りようを、絶妙なコンビネーションと外連味のない表現で映し出す。雑味を除き虚飾を排した、この2人でしか成し得ない演奏が楽曲の本質に迫る。
藤原亜美(ピアノ) Ami Fujiwara, piano
札幌市出身。東京藝術大学附属音楽高校を経て、東京藝術大学ピアノ科、並びにパリ国立高等音楽院ピアノ科を審査員満場一致の1等賞で卒業。1998年フランスで行われた第3回オルレアン20世紀音楽国際ピアノコンクールにて第1位受賞。在仏中、各地での演奏の他、国営放送ラジオ・フランスの音楽番組にソロ、伴奏にて出演するなど活発に演奏活動を行う。パリに於いてデヴィッド・ロバートソン、ジョージ・ベンジャミン、アンサンブル・アンテルコンタンポランのメンバーによるアカデミーに参加。日本国内では札幌交響楽団、東京交響楽団、広島交響楽団とソリストとして共演。現在、東京を拠点に各地でピアノ・ソロ、室内楽の分野で活動中。数多くの日本初演にも携わる。2009年ブーレーズ・イン京都出演。東京シンフォニエッタ、Ensemble sans-limiteの各メンバー。東京音楽大学、日本大学藝術学部において後進の指導にもあたっている。
ソロCD「エチュードの妙技ー20世紀の作曲家による」、「モシュコフスキ ピアノ作品集」、「モシュコフスキ ピアノ作品集Ⅱ」、「ポーランド現代ピアノ作品集」、「エネスコ&リパッティ ピアノ作品集」、「ドビュッシー:前奏曲集第1巻・ベルガマスク組曲」、「ジョリヴェ ピアノ作品集」、「ジュリアン・ユー:青少年のための作曲法入門〈きらきら星〉の主題によるピアノのための変奏曲」を含む録音を多数リリース、第49回、51回レコードアカデミー賞(現代音楽部門)受賞するなど各方面より好評を博す。
今までにテオドール・パラスキヴェスコ、神野 明、ダリア・ホヴォラ、ジャン・ケルネール、アンリエット・ピュイグ・ロジェ、マリア・クリスティアン、ピオトル・パレチニ、ジャン・クロード・ペヌティエ、オルトンス・カルティエ・ブレッソン、堀江孝子、佐藤安子の各氏に師事。
長尾洋史(ピアノ) Hiroshi Nagao, piano
東京藝術大学音楽学部器楽科及び、同大学院修士課程を修了。在学中に安宅賞を受賞。宗廣祐詩、遠藤道子、米谷治郎の各氏に師事。1995年、エコールノルマル音楽院(パリ)に留学。
NHK交響楽団、東京交響楽団、東京都交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、大阪交響楽団など国内主要オーケストラとの共演やソロ・リサイタル、マクサンス・ラリュー(フルート)、ジャン=イヴ・フルモー(サクソフォン)、パーヴェル・ベルマン(ヴァイオリン)など、国内外の管弦楽器奏者とも多数共演。また、国内外を問わず多くの作品の初演、サイトウ・キネン・フェスティバル松本やサントリーホール・サマーフェスティバルなどの音楽祭出演、NHK等のメディア出演など、その活動は多岐にわたっている。
CDは「エボカシオン」「ラヴェル&ドビュッシー」(ライブノーツ)、「メシアン:アーメンの幻影 2台ピアノ」、「リスト&レーガーを弾く」(コジマ録音)、現在進行中のシリーズ「ピアニズム1/バッハ:ゴルトベルク変奏曲、ピアニズム2/ドビュッシー:前奏曲集 第1巻&第2巻」(299MUSIC)のソロのほか、ミシェル・ベッケ(トロンボーン)、ワルター・アウアー(フルート)、加納悦子(メゾソプラノ)らとの共演など多数リリースされ、各紙にて好評を得ている。
透明で芯のある美しい音、緻密で精巧なテクニックの中に、熱くみずみずしい音楽を聴かせることのできる数少ない演奏家である。